2030 SDGsチャレンジ

地域の未来 親子で考える(藤沢市辻堂青少年会館)

 

辻堂青少年会館・伊藤和子館長

 「SDGs@スクールチャレンジ校」として、実践活動に取り組む杉並区立八成小学校の小堂十(つなし)先生を講師に招き、親子15組・30人が参加したワークショップを6月5日に開きました。

 

 会館は神奈川県の藤沢市にあります。これまでにも社会福祉協議会と連携し、食育をテーマにした「つじせいキッチン」を開催したり、緑のカーテンづくりに取り組んだりと、SDGs活動を進めてきました。市にお住いの小堂先生の取り組みを、2030年の主役となる子どもたちに参考にしてもらうため、ワークショップを企画しました。

 

 「できる できないじゃない やらなきゃならないことが ある」。ワークショップに先立って行われた講演で、小堂先生は、漫画「鬼滅の刃」のセリフなどを引用しながら、わかりやすくSDGsの実践について教えてくれました。知識として学ぶだけではなく、講演を通して、SDGsを「自分のこと」として考えようとする子どもたちの姿が印象的でした。

 

 「藤沢市の未来にとって、何が重要で、緊急性が高いか」。ワークショップで出された問いに対して、子どもたちは、「緑を増やす」「海をきれいに」など、思い思いの答えを導き出しました。「誰かに言われて行動するのではなく、私たちひとり一人が考え行動することが未来に向けての一歩」「身近なことから実行していきたい」「学校でもSDGsについて話したい」----。参加した親子は、口々に実践に向けた決意を述べてくれました。これらの意見は、市の担当部署に我々から提出させて頂きました。

 

 小堂先生も「短い時間でどこまで伝えられるか不安だったが、具体的なアクションプランにまとめることができ、驚いている。子どもたちには無限の可能性がある」と話してくれました。コロナ禍で、会館の活動は難しい状況が続きます。ワークショップをきっかけに、それぞれの家庭で始めたことが、地域全体に広がっていくことを期待しています。(写真は同館提供)

 

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 SDGsは、私たち一人一人の行動目標です。学校はもちろん学校以外の場所でもその輪は広がっていきます。家族で取り組むのも良いですね。参加した親子は、きっと自分事としてSDGsを捉えるようになったと思います。小さな輪から起こるメッセージを広げていくことが、今私たちができることだと思います。ぜひ、みなさんも身近な仲間と一緒に行動してみましょう。

読売新聞東京本社 教育ネットワーク・アドバイザー 田中 孝宏


(2021年7月 5日 13:15)
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