2030 SDGsチャレンジ

じぶんごとからはじめよう

【海プラ問題】未来を生きる君たちへ

 高校生たちによる研究プロジェクト「海洋プラ問題を解決するのは君だ!」(読売新聞など特別協力)がまもなく始まる。プロジェクトを企画した高校生、指導役(メンター)として加わった東京大学の研究者などのコラムに続き、プロジェクトの運営資金を提供する協賛各社を代表して、ウォータースタンド社長の本多均(ほんだ ひとし)さんに、プロジェクトにかけた思いを寄稿してもらった。

マイ・ボトルを持ち歩く暮らし

 高校生たちへの協力を決めたのは、彼らが自分たちのことだけでなく、環境という地球レベルの課題について考えていることを知り、「こうした若い世代を応援したい」と考えたのがきっかけでした。しかも、考えているだけでなく、プロジェクトの企画・運営のほか、企業からの資金提供やメンター派遣要請といった声かけを高校生自身でされており、「ゼロをイチにする」実行力に感心し、ひとことでいえば、「彼らの思いを無駄にしたくない」と考えたのです。

 「ウォータースタンド」(本社・さいたま市)の中核事業は、水道直結の高品質浄水サーバー「ウォータースタンド」のレンタルです。当社は国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を社会に向けて表明しており、「日本国内で出荷されている使い捨てプラスチックボトル約250億本のうち30億本削減する」ことをミッション(責務)としています。

 約250憶本と言われてもイメージがわきにくいかも知れませんが、PETボトルリサイクル推進協議会の2018年度版に公表されている数字です。

 

 私たちの海洋プラスチック問題への取り組みは、実は身近なところからスタートしています。

 「ウォータースタンド」は、ボトル入り飲料水と同様においしいお水を蛇口をひねれば出る水道水からつくることができる製品です。その水をマイ・ボトルに注げば、プラスチックボトルを使い捨てする必要はないのです。従業員全員に水筒を配布し、喉が渇いた時は「ウォータースタンド」から給水することを呼びかけ、本社の自動販売機を1台ずつ減らし、プラスチックボトルのごみを大幅に削減しました。

 2018年7月からは、お客様をはじめ、日ごろお世話になっている方々に水筒をプレゼントさせて頂きました。その数は、通算約15万本にのぼります。

 19年からは、地方自治体とプラスチックボトル削減に向けた協定を締結し、「ボトルフリー」に向けた具体的な取り組みを始動しました。これまでに埼玉県ではさいたま市、所沢市、神奈川県の葉山町、鎌倉市、京都市と協定を締結しています。

 

 私たちが地方自治体と手を組んでめざすのは、「ごみを減らす」という目標だけにとどまりません。マイボトルに給水して持ち歩いてもらうことで、プラスチックボトルを消費する際の「生産・運搬・消費・回収・リサイクル」という一連のプロセス全体を見直し、「より良い行動をとる」ためのきっかけづくりを目的としています。この考え方には地域の皆様や企業様からも賛同して頂いており、同じ目的を共有するパートナーとして手を携えていけると確信しています。

 

コロナ禍で見えてきた近未来

 20年2月以降、コロナ感染症が拡大し、大人たちだけでなく子供たちも大きな影響を受けました。

 今まで体験したことのない危機の中で、自分たちが長期的に社会から存在することを許されるにはどうしたらいいのかを考え、私たちは事業の目標を見直しました。目先の売り上げや利益、設置台数ではなく、「使い捨てプラスチックボトル30億本の削減」を目標に設定したのは、そういう思いからです。このミッションは、私たちが最も重視する君たち、「未来の世代」への私たちの約束なのです。

ウォータースタンドの社員総出で参加した「海ごみゼロウィーク」での集合写真(2019年1月、大洗海岸で=同社提供)。前列左から5人目が本多さん

 

 海洋プラスチック問題がいま、喫緊の社会課題となっています。これは人類がみんなで取り組むべき危機だという実感を持っています。これまでの経験から「危機の後は必ず良いことに転じる」と言い切れるのですが、危機にどう取り組み、どう状況を改善していくのか。私たちが若い世代のみなさんと知恵と力を合わせて挑戦していく姿勢が問われているのです。

 ビジネスや会社は、「お金を稼ぐ」、「利益を創出する」といったこと以上の意味があるものです。たとえば地球温暖化がこのまま進行していくと、水資源はますます大切になっていきます。これまでのように便利さや経済効率性を追求し続けていれば、地球環境に負荷がかかることは明白なのです。

 

 未来の世代に、より良い社会を残せるのは私たちしかいません。マイ・ボトルを携帯することは使い捨てするより不便なこともあります。しかし、使い捨てを当たり前にしないことで水源や海洋、地域の環境は必ず守ることができると信じています。

 本プログラムでは、テーマに「プラスチックをいかに代替するか」、「リサイクルをどう進めていくか」が設定されています。未来の世代の一翼を担う皆さんが、どんなアイデアを出していかれるか。そして私たちとどのように共創できるかを心から楽しみにしています。

海洋プラ問題を解決するのは君だ!~高校生×研究×社会問題解決プログラム

【募集人数】高校生と高専生100人

【活動方法】オンライン会議システムなどを使い実施

【活動期間】8月30日~2021年2月(約6か月)

 

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(2020年8月 3日 15:00)
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