新聞を活用した学習方法について探る、先生向けの勉強会「NIE土曜サロン」が3月16日、読売新聞東京本社で開かれ、地域や発行時間が異なる同じ日の新聞を比べ、「情報」の違いを読み取るワークショップなどが行われた。
前半は、元政治部の大石暁・教育ネットワーク事務局記者が、「基礎だけ分かる政治の話」と題し、ミニ講演。政治部の若手記者が担当する読売新聞朝刊二面の「首相の一日」の取材について、原敬首相の暗殺事件などの歴史的事実や自身の経験などに触れながら、「たった10行書くだけでも大変だった」など、わずかな行数でも膨大な取材が必要な政治部記者の苦労を語り、参加した先生たちは、興味深そうに耳を傾けていた。
講演後の後半は、新聞活用の演習。
3月末でサロンを"卒業"した秋山純子・NIE企画デザイナーに代わり、4月から講師を務める村山正子・東京学芸大非常勤講師(元中学司書教諭)が前倒しで「誘う、親しむ、広がる...!新聞活用(1)新聞基礎知識」と題してワークショップを実施。
2018年9月に発生した北海道地震の一面紙面を発行時間別に並べ、刻々と被害状況が明らかになっていく災害報道について触れたあと、6班に分かれ、最近の新聞紙面を、地域ごと、発行時間ごとに紙面比較。日中関係について発言した中国外相の記事(3月9日付)の見出しが、九州地区では「中国外相」とされているのに対し、東京では「王毅氏」と表記されているなど、先生たちはさまざまな違いを発見した。「中国外相は4文字で、王毅氏は3文字。東京の紙面は少ない文字数だと見出し全体の文字が大きくなることを優先し、九州の紙面は分かりやすさを優先したのでは」などと記者が分析をすると、参加した先生たちは感心した様子で聞き入っていた。
サロンは2008年1月以来、ほぼ毎月第4土曜日午後2時から開催し、この日で95回目。4月からは、村山講師と、庭野優子・東京都文京区立明化小非常勤講師が講師を交代で務める。参加申し込み(無料)は、メール(nie7717@yomiuri.com)で開催前日(金曜日)までに「読売新聞東京本社 教育ネットワーク事務局」へ。