「まわしよみ新聞」に記者もワクワク

気になる記事を探す石田記者(中央)

 NIEの新しいツールとして熱い注目を浴びている「まわしよみ新聞」。4月25日、読売新聞東京本社で開かれた「NIE土曜サロン」で、小中高校の先生たちに混じり、記者もハサミを手に体験してみた。 (石田汗太)

 

 ルールを知った時からワクワクした。大阪の街づくりプロデューサー・陸奥賢さんが考案したこの「遊び」は、参加者が新聞を回し読みし、気に入った記事を切り抜いて、その場で「壁新聞」を作るというもの。 ①あらかじめ準備せず、その場で新聞を開いて切り抜く。②記事の面白さを各参加者がプレゼンして「その日のトップ記事」を決める。これが「時間制限」と「勝負」という、ゲームの2大要素を巧みに満たしている。

 

 この日参加したのは、各地から集まった先生約20人。5グループに分かれ、全国紙各紙や読売KODOMO新聞など数日分が配られた。「最低3つは切り抜いてくださいね」と、全体 司会のNIE企画デザイナー・鹿野川喜代美さんの指示が飛ぶ。切り抜く時間は15分。かなり忙しいが、他の人が選びそうな大きな事件記事は避け、短くてもキラリと光る記事を探した。

 さて発表タイム。同じグループの大塚功祐先生(千葉県立流山おおたかの森高校)が切り抜いたのは「国会にカジノ法案提出へ」という記事。「先進国でカジノがないのは日本だけですって」「でも公営ギャンブルがこんなにあるのに?」と、かなりの盛り上がり。首相官邸に落下した「ドローン」の記事と、小型ビジネス機「ホンダジェット」の記事を切り抜いたのは島貫勝義先生(北区立堀船中学校)。空つながりで面白い。

 

 記者が切り抜いたのは、「防犯対策で名札を付ける小学生が減った」という小さなコラム。「これも時代の流れですかね」「でも、体操着にはまだ名字が付いてますよ」と、意外と話が弾んだ。最終的にカジノ記事がトップに選ばれ、名札の記事は左肩に貼りつけてもらえた。

 

 自分の発表も楽しいが、一番のワクワクは「他の人はどんな記事を出してくるかな?」という期待感だった。宝探しのように楽しくて、初対面でもすぐに打ち解けあえる「まわしよみ新聞」。やらないのはソンですよ。

(2015年8月 3日 05:30)
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