授業で新聞を教材に使う具体策を学び合う「NIE土曜サロン」が3月26日、読売新聞東京本社(東京・大手町)で開かれ、東日本大震災から5年の紙面を使った授業例などが、参加した小中高校の先生方から紹介された。
宮城県気仙沼市で被災して、公民館に43時間も避難した中根圭一記者が、当時の危機を振り返り、5年後の現地を再訪取材した経緯を話すと、先生方から質問が相次いだ。「現地を助けるボランティアが今は少なくなり、子供たちに何ができるだろうか」と尋ねられ、中根記者は「震災を忘れず、現地はどうなっているかを思うことが大切。想像力が必要で、今後の行動や体験につながる。東北の物産を買う支援のしかたもある」などと答えた。
講演後の後半は、新聞活用の演習。
文部科学省が推進する「特別教科・道徳」や「考え、議論する道徳」学習指導案募集の趣旨を、担当者から聞いた後、先生方は道徳授業の実態と課題を紹介し合い、児童生徒の心に響く記事や素材を見つけるため、日頃から感性を磨き、自分のアンテナを立てておく必要性を確認した。さらに、読売新聞の記事を使い、考えるだけでなく、自ら調べ行動する学習指導案作りについて意見を交換した。
サロンは2008年1月以来、ほぼ毎月第4土曜日午後2時から開催して、これで70回目。参加申し込み(無料)は、メール(nie7717@yomiuri.com)で開催4日前(火曜日)までに「読売新聞東京本社 教育ネットワーク事務局」へ。