若手研究者らに助成金 日本科学協会

 「2018年度笹川科学・笹川スポーツ研究助成『研究奨励の会』」が4月27日、東京都港区のホテルで開かれた。日本科学協会(大島美恵子会長)と笹川スポーツ財団(渡辺一利理事長)が共同開催したもので、将来を担う若手研究者らに研究助成金の決定通知書が渡された。


  日本科学協会は1988年度以降、日本財団の助成金を受けて、幅広い分野の科学研究を奨励している。31回目を迎えた今年度は、「人文・社会系」「生物系」「海洋・船舶科学」など7部門で325件が採択され、総額2億440万円が分配される。1件あたりの助成額は11万円~100万円。助成対象は、ビッグデータ解析を通じた黒毛和牛の品種改良、サメの生息域の解明調査など、新規性と独創性に富んだ研究が並んでいる。一方、笹川スポーツ財団は2011年度から、スポーツ振興に貢献する人文・社会科学領域の研究活動を支援している。今年度は47件に総額3096万円が助成される。主な採択研究は、五輪・パラリンピックに関するトップアスリートの特別授業の効果、途上国での国際競技大会開催に伴うレガシー構想などがある。


  あいさつに立った大島会長は、「サイエンスの神髄は、科学者が生んだ成果としての『昼のサイエンス』ではなく、成果に至った創造のプロセスである『夜のサイエンス』にある」というノーベル物理学賞受賞者、江崎玲於奈(れおな)氏の言葉を引用し、「夜のサイエンスの重要性と研究の楽しさを忘れないでほしい」と呼びかけた。

 

大島会長(左)から研究助成金の通知書を受け取る研究者

(2018年5月 8日 10:27)
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