[6]「学校に来てはいけない」ウィーク
大掃除を終えてクラスに集まる。
「じゃ、今から1週間は学校に来てはいけません。みんな、元気で。1週間後に、また会おう!」
「はーい」
どの子も嬉しそう。廊下でハイタッチをして帰っていく子もいる。
喜びはみな若者のためにあり冬の日向に干されるリボン
堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』
2月の半ば、高校は1週間、入試休みをとることになる。この1週間で、来年度の入学者を選抜するために筆記試験と面接を実施し、採点まですべて終わらせるのだ。
高校生たちは嬉しい。当然だ。宿題があったり、模試を受けたり、部で課されたトレーニングをしたり、ということもあるだろうが、とにかく授業は休み。しかも「学校に来るな」なんて言われているんだ。思い切り羽が伸ばせるだろう。
だが、教員にとっては緊張、また緊張の1週間だ。入試にミスは許されない。どの受験者にもまごころをこめて、きちんと対応したい。夜はしっかり寝て、朝は気合を入れて起きて、コンディションを整える。本当に頑張る!
今年の入試ウィークは、2月13日の午後から始まる。受験生のみなさん、お待ちしています。入試は、未来をつくりだす機会。一緒に頑張りましょう。
封じ込めていたものたちが放たれて未来が過去をあたらしくする
東直子『十階』
千葉 聡 @CHIBASATO
1968年生まれ。横浜市立桜丘高校教諭。歌人。生徒たちから「ちばさと」と呼ばれている。著書に『飛び跳ねる教室』『短歌は最強アイテム』など。
入試の頃、高校の廊下は冷えます。ストーブを用意していますが、受験生のみなさん、あたたかい服装でおいでください。ご健闘をお祈りします。
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