NIE教員研修@八王子市立宮上中学校

まわしよみ新聞作りを指導する秋山アドバイザー(左)

 八王子市立宮上中学校(東京都)で7月31日、市主催の「指導力パワーアップ研修」が開かれ、市内の9中学校から教員31人が参加して、新聞で育む「学びに向かう力」をテーマに、授業で新聞を活用する意味を学び、具体的なワザを習得しました。

 

 講師の秋山純子・読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局アドバイザーはまず、道徳などで教材に使える新聞写真のスライドをスクリーンに大きく映し出しました。ピョンチャン五輪(2月)のスピードスケート女子500mで金メダルを獲得することになる小平奈緒選手が、ライバル選手のスタート前に会場のざわつきを鎮める仕草や、サッカーW杯ロシア大会(7月)で試合終了後に日本人サポーターが外国人と共にスタンドでゴミ拾いするシーンなどの写真を見せ、授業を補足する材料に使えると紹介しました。

 

 都立高校推薦入試の集団討論で、「人工知能(AI)が発達していく中、ますます自分の頭で考えることが重要になる。それを身につける3つの方法を考えなさい」という出題があった例などを示し、日頃から継続的に世の中の出来事を見て、根拠を持って考え、グループで話し合い、理解を深める学習の必要性を説きました。

 

 それには、学習指導要領に盛り込まれた「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」が大切で、新聞を活用した「まわしよみ新聞」作りを実習しました。
 先生方は4~5人のグループに分かれ、各自が当日の読売新聞朝刊から、人に伝えたい「お薦め記事や広告」を3つ選び、切り抜きます。

 

 

 次いで、グループ内で、1人1分以内で順番に、「いち押しニュース」の概要と選んだ理由を仲間に説明、意見交換して理解を深めました。

 

 さらに、グループごとに話し合い、全員の記事からトップ、準トップなど重要度の順番を決め、情報の価値判断をしました。ここに重点を置いています。次いで、切り抜いた記事を台紙(A2判)に貼り付け、紙面をまとめる「見出し」や感想を書き加え、「まわしよみ新聞」を完成させました。

 

 秋山アドバイザーは、「まわしよみ新聞」作りが、(1)主体的に記事を選び、(2)自分の言葉で記事の内容を相手に伝え、(3)グループで話し合いながら考えを深め、全体をくくる「見出し」をひねり出し、(4)レイアウトを考えて、作品を完成させる、と分析し、これは「主体的・対話的で深い学び」だ、と解説しました。

 

 

 教室で実践する際のヒントとして、例えば道徳なら、実施の何週間か前に、生徒に「命」などのテーマに関する記事を集めるように指示して、「世の中と向き合せておくといい」とアドバイス。国語などのグループ・ディスカッションでも、あらかじめテーマに沿った記事を集めておくと討議が深まる、と説明しました。

 

 参加した先生からは「NIEは、まさに主体的・対話的で深い学びが生かせる手法だと思った」「楽しかった。学校で生徒たちに実践したい」などの感想が聞かれました。

 

読売新聞の教員研修について詳しくは>>こちら

(2018年8月 3日 15:03)
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