やあ、こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤク先生だよ。これからあちこちで目にしたNIEを紹介していくね。
ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。
NIEタイムで新聞記事を切り抜く6年生。男子の一人は「キング牧師 暗殺から50年」の記事を切り抜いた(2018年4月18日、北区の八幡小で) |
●全校でNIEタイム
1回目は東京・北区の八幡小学校。新聞記事を読んで感想などを書く「NIEタイム(新聞タイム)」に2年前から全校で取り組んでいる学校なんだ。NIEタイムを続けて「子どもが日常会話の中で、社会で起きたことを自然と話題にするようになった」と先生たち。子どもたちは、書く力がつき、学力アップにもつながっているんだって。(以下の文中にある学年は、昨年度のもの)
低学年でもできる
最初にお邪魔したのは2018年3月。まずは1年生の教室。毎週水曜日の朝15分間のNIEタイムになると、教室のうしろの新聞置き場に子どもが何人も駆け寄っていく。窓際には平昌五輪の新聞記事コーナー。フィギュアスケート、カーリング・・・。感想は付せんに書いて貼られていたね。「はにゅうせんしゅ おめでとう」「こだいらせんしゅ きんめだる すごいな」・・・。ふむふむ。1年生でも感想が書けるようになるんだね。
教室内の新聞置き場に駆け寄ってくる1年生。教室に貼られた新聞スクラップには子どもたちの感想も貼られていた |
2年生が五・七・五でまとめる
2年生は、なんと、選んだ新聞記事を元に、五・七・五でまとめていたよ。女の子の一人は皆既月食が起こったことを伝える2月の新聞記事を見て、こんな句を読んだ。「赤銅色に輝く かいき月食 きれいだな」。2年生でも作れるものなんだね。3年生は、気になる記事を選んで自分で見出しをつけ、感想を書いていたよ。
新聞記事から作った俳句作品が貼られた2年生の教室 |
テーマを決め ペアで楽しむ
4,5,6年生は、気になる記事を選んで台紙に貼り付けた後、要約したり、感想を書いたり。4年生の男子の一人は、「東日本大震災7年 高台移転」の記事を選んでいたよ。子どもの1人は「世の中のことに関心がなかったけど、NIEタイムをやって社会に興味を持つようになった」と話していた。5年生は、友達とペアを組んでテーマを決めてスクラップ。ペアだから、「おおっ、こんな記事見つけた!」と盛り上がるようだね。
競い合って新聞記事を選ぶ5年生の児童 |
教科横断型で深まる
NIEタイムはいろんな授業にも発展していたよ。中でも、「いのち」をテーマに、新聞記事などを調べて友達で議論し、最後には合唱の形で歌を披露する「いのちプロジェクト」は音楽、道徳、総合的な学習などがコラボした教科横断型の授業。命について深く考えた後の子どもたちの歌声は感動ものだったな。歌を聴きに来た家族も感動して、家族と学校、子どもたちの絆がとても深まったそうだよ。
「いのち」について全児童のメッセージが貼られた「いのちの木」 |
『無理せず』楽しむ
昨年度の1年生は、パンダの記事を使って、「すごろく」まで作っていた。楽しんでやっていると、どんどん広がるんだね。この小学校では、NIEタイムに取り組み続けた1年間で、全学年で学力がアップしたんだって。この4月からは週2回に増やしたそうだけど、「無理せずが大事」と市川由紀絵校長は話していたよ。
廊下や階段など目に付くところにはさまざまなNIE作品が貼られている |
今年も「無理せず」をキーワードにしたNIEタイム、どんな広がりを見せるか、楽しみだね。
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