楽しくNIE[2]遊び心くすぐる「新聞記事ビンゴ」 江戸川区立下鎌田小(東京都)

やあ、こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤク先生だよ。きょうはクラスで盛り上がる「新聞記事ビンゴ」を紹介するね。新聞を使った授業を子どもたちが面白がるきっかけになるって好評だよ。

ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。

 

新聞から探した気になる記事の見出しをビンゴ用紙に書き込む6年2組の子ども

 

●遊び心くすぐる「新聞記事ビンゴ」

 今回、お邪魔したのは東京・江戸川区の下鎌田小学校。6年2組で5月15日に行われた取り組みは、ビンゴゲームを取り入れ、自然と新聞やニュースに触れるという授業だったんだ。子どもたちはみんな、真剣な表情で新聞をめくっていたよ。担任の菅井和生(かずお)先生は「新聞に興味を持ち、新聞を通して世の中に関心を高める子が増えたようです」と話していたよ。


 

3×3のビンゴ用紙と新聞、鉛筆だけ

 用意されたのは、当日の読売新聞朝刊を人数分と、A4判のビンゴ用紙と鉛筆だけ。ビンゴ用紙には、3×3四方のマス目が描かれていて、「新聞を読んで9つの記事を選ぼう!」というタイトルの下に、記事の見出しを書き込む空白が用意されていた。4×4だと難易度が一気に上がって時間もけっこうかかるので、2時間授業の時間内で終えるには、3×3がおススメなんだって。

必要なのは新聞とビンゴ用紙、鉛筆だけ

新聞記事ビンゴの進め方

 一般的なビンゴは、例えば3×3四方のマスに並んだ数字の中に、司会者が読み上げる数字があるか探し、タテ・ヨコ・ナナメのマス目のうち、どれか1列そろえば勝ちーーというようなゲーム。新聞記事ビンゴは、この数字を「自分の気になる新聞記事の見出し」に替えて、先生が読み上げる見出しと自分が書いた見出しが一緒なら赤丸をつけ、赤丸が1列そろえば勝ちーーーというものなんだって。

まず自分で気になる新聞記事を9つ選んでビンゴ用紙に書き込み、先生の発表する見出しが一緒なら赤丸をつけ、1列そろうのを競う

真剣に新聞どんどん開く

 今回の授業は3、4時間目。新聞を配ってから最初の10分で、簡単に見出しなどの新聞のしくみを菅井先生が話した。その後、ビンゴ用紙を配って「気になる記事を9つ選んで9マスのビンゴ用紙にその見出しを書き込んで」などとルールを説明し、子どもたちの記事選びがスタートした。授業前は「北朝鮮」や「大谷翔平選手」「パンダ」など、最新ニュースについて話題にする子もいたけれど、新聞を読んだことがない子が半分近くもいた。でも、みんな新聞を開いていくうちに「何を選んだ?」って、近くの子同士で話題にし合う様子も見られて、30分間、クラス中が真剣に新聞に向き合っていたよ。

新聞を開いて気になる記事を探す。「何を書いた?」。近くの子同士で会話がはずむ場面も

見出しが当たるかドキドキ

 4時間目に入り、先生が選んだ見出しを読み上げる時間になった。菅井先生が選んだのは子どもに読んでほしい記事だった。最初に選んだのは1面に載った、新潟で下校中の女児が被害に遭った事件の見出し「近所の23歳男 逮捕」。教室に「あったー」「あー」などと歓声とため息が広がる。「1面は一番大事なニュースが載っている。こういう事件ニュースが新聞に載っているのは、みんなに気をつけてほしいからです」と、菅井先生が付け加える。先生が読み上げる新聞記事の見出しは、新聞のどのページから選ばれるか分からないからスリリングで、子どもたちは真剣そのものだ。

先生が選ぶ見出しの発表をじっと待つ子ら

「意外と面白かった」

 菅井先生が新聞を開きながら読み上げた見出しは「インドネシア テロ多発」「首相 日朝会談に意欲」など20個ほど。20分ぐらい経つと、赤丸2つが並んだ子たちから「リーチ!」の声が乱れ飛んだ。結局、1つも当たらなかった子もいたけれど、選んだのは「日航 LCC旋風に乗る」や「弱視フットサル葛飾から」など、いい記事だったよ。授業後は「新聞って意外と面白いね」と話していた子も多かった。菅井先生は、「遊び心を大事にしたい。新聞記事ビンゴをやると、子どもが日常会話の中で、社会で起きたことを自然と話題にするようになる」とこれからの2組に期待していたよ。今後は新聞スクラップ学習にも取り組んで、子どもたちが社会へ関心を高めるお手伝いをするんだって。

あと1歩でビンゴになった用紙

遊び心をくすぐる新聞記事ビンゴ。新聞授業への入り口として、もってこいの面白さだね。楽しく学んでいけるってうれしいね。


[1]<< 記事一覧 >>[3]

(2018年5月24日 15:52)
TOP