まだそこにある危機【新型コロナ 学生リポート】(15)

再開した図書館がある公共施設では、椅子が取り払われていた

 39県の緊急事態宣言が解除されて約1週間あまり。21日には、関西2府1県での解除も発表されました。東京都など、宣言が継続している地域の感染者数も減少傾向にあり、解除についての議論が始まっています。大学のオンライン授業など、外出自粛の流れはしばらく続きそうですが、私たちは、どのようにコロナ禍の暮らしを続けていくべきなのか、一足先に宣言が解除された県に住むキャンパス・スコープメンバーたちの声を集めました。

 

緊急事態宣言解除後の暮らし

 

 「コンビニやスーパーのレジは大行列。まさに『密』になっている」と話すのは、茨城県に住むメンバーです。14日に緊急事態宣言が解除されてから、外出の頻度も「週1回くらいだったのが、週2、3回にはなった」と話します。授業は当面オンライン授業なので、外出の機会も急には増えないとはいいますが、街の急激な変化に驚いていました。

 同じく茨城県に住む別のメンバーも、「大きな公園の駐車場はどこも満車」と話します。自粛のストレスから解放されたい人々が、家族連れで一気に外出を始めたようです。休業要請対象外だった近くの美容院にも、予約が殺到。「母も我慢していたので、行くなとも言えないけど」と、新たな「密」の発生を心配していました。

 私自身は、現在も福島県須賀川市の実家からオンライン授業を受ける毎日です。近所のスーパーでも人出が増加し、今まで1人でスーパーを訪れていた人が、「家族総出」で訪れるケースが多いように感じました。駐車場には交通誘導員が立つほどの混雑ぶり。夏日が続いた日には、マスクを着けていない人の姿も目立ちました。

 

「にぎわい」まだ遠く

 

 私がよく利用していた市の図書館も、5月16日から再開されました。待ちに待った再開。私は初日に、大学の授業で使う本を借りるために図書館を訪れました。新聞の閲覧ができないなど、「市民の憩いの場」だった様子はまだ戻っていませんが、再開を心待ちにしていた多くの地元住民が訪れていました。不要不急の外出を控えるためか、一度に多くの本を借りる人が多いようにも感じました。また、飛沫感染を防ぐため受付に「透明シート」が付けられ、利用者同士の間隔を保つためのラインも引かれる徹底ぶり。長時間の滞在を避けるため、館内にあった椅子も撤去されていました。

 一方、茨城県に住むメンバーは、「飲食店はまだ閑散としている」と話します。外出する機会は増えても、本当の意味で街の「にぎわい」が戻るのはまだまだ遠いのだ、ということを感じました。

 

再び「クラスター」も

 

 緊急事態宣言が解除された県では、少しずつ「元の生活」を取り戻そうとしているように感じますが、宇都宮市の実家でオンライン授業を受けているメンバーは、「解除後もあまり外出しないようにしている」と話します。市内のスーパーでは先日、従業員の感染が報告され、市は「クラスター」と判断しました。今まで行ってきた「手洗い」や「マスク」などの感染予防の対策を私たちが怠れば、「第2波」の恐怖はすぐそこにあるのだとも言えます。外出の機会を増やしながら、感染拡大を防ぐにはどうすればいいか、宣言が継続している地域に住む大学生も、一人一人が真剣に考えながら、解除の日を待って欲しいと思います。

(明治学院大学・丹伊田杏花)


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(2020年5月22日 14:02)
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