5月下旬から多くの自治体で振り込み手続きが始まった「1人10万円」の給付金。「時間がかかり過ぎ」という批判もありましたが、多くの大学生にも行き渡り始めたようです。皆さんは、何に使いましたか?
オンライン授業に「設備投資」
「3人家族で30万円のうち、17万円がパソコンに消えてしまった」。実家暮らしのメンバーが嘆きます。課題の作成も頻繁になり、別のメンバーも「妹もオンライン授業。古い機種で機能に問題があるので、買い替えなければならなかった」と話しています。また、授業のレジュメを印刷するため、プリンターの購入を検討しているメンバーも。オンライン授業には不可欠なデジタル機器の購入が多いようです。
休業続き、家計の足しに
「母のパート収入もなくなり、私と母の給付金は家計に回した」と話すのは、父親が居酒屋を営んでいるメンバーです。緊急事態宣言中は、稼ぎ時である深夜の営業を自粛。ランチのテイクアウトに力を入れていたそうですが、酒類が売れず、大打撃に。1か月ほどは貯金を切り崩す生活が続いたそうです。現在、店は感染対策をしながら22時ごろまでの営業になり、少しずつ客足も戻ってきているそうです。「給付金は生命線だった」と振り返ります。ほかにも、「実家暮らしなので家計支援に回る」というメンバーや、帰省したままオンライン授業を受けているため「下宿先の家賃や光熱費に回す」というメンバーもいました。
大学生こそ、経済に貢献
福島県の実家でオンライン授業を受けるメンバーは「地元応援のために、地域のレストランのテイクアウトを利用したい」と話します。自宅の近くには福島空港がありますが、もともと、地方の空港は地域経済の地盤沈下で国内の利用者が減少傾向にあったことに加え、コロナショックが追い打ちをかけました。「感染が収束したら、北海道の兄に会いに行くための飛行機代に使いたい。少しでも地元を盛り上げることにつながれば」と話しています。
また、別のメンバーは「この機会に新聞購読を1紙増やすことにした」といいます。幸い、コロナ禍の家計への影響は少なかったため、当初は貯蓄も考えていたそうですが、「今、少しでも経済を回すことにつなげることが大切。就活を控え、情報への感度を上げておきたい」と話します。
世界が、日本が、コロナウイルスのため、経済に大きな打撃を受けました。「新しい生活様式」とともに、少しずつ、元の暮らしを取り戻そうとしている今、大学生として、経済に貢献するためにはどのような形があるのか、みんなで考えていければと思います。
(東洋大学・高見澤楓)
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