各大学でオンライン授業が始まって2か月あまり。私たち大学生も、授業の合間にアルバイトを入れたり、サークル活動を再開したりと、「新しい生活様式」での授業にも何とか慣れようと頑張っています。課題の山に追われながら、前期授業の終わりも見え始めてきました。でも、ちょっと待ってください。大学生活は単位を取って終わり、というものでは無いはず。リアルの接触ができない中、先輩や、後輩との交流は、どうなっているの?
オンラインだからこそ、つながる心
履修登録は、先輩・後輩が交流を深めるチャンスです。新入生歓迎(新歓)イベントで先輩である2・3年生に授業について相談しているうちに、あまり入る気の無かったサークルの魅力に気付いて入ってしまった、という学生も多いと思います。ところが、履修のガイダンスも、新歓もオンラインで行われた今年については、ただでさえ複雑な履修登録を、大学の説明だけを頼りに、「独力」で行った1年生も多かったようです。キャンパススコープのある3年生のメンバーも「必修をきちんと取れているか、今でも不安になる。初めての1年生なら、なおさらだと思う」と指摘します。私の通っている大学では元々、少人数の授業が多く、学年間の交流が盛んなことが特徴です。先日、新入生と上級生の「交流会」がオンラインで開催されました。参加した1年生からは「先輩とフランクに話すことができて、気になっていたことや、不安が解消された」と好評でした。
普段の授業の際はお互い顔を見ることも少なく、対面授業の頃を知っている私たち上級生とは違い、オンライン授業しか知らない1年生の不安も大きいと思います。「少しでも1年生の力になりたい」キャンパススコープのメンバーたちも口をそろえます。あるメンバーは、後輩の相談にのるうちに「温かい先輩たちが多い大学に進学できて良かった」とメールをもらい、「飛び上がるほど嬉しかった」と振り返りました。外出が少ないオンライン授業の毎日。メールとはいえ、些細なことでも、心が通い合ったことを喜んでいました。
「寝落ち」の仲間に励まされ
LINE、メールに加えて、「新しい日常」のコミュニケーションの主役となったのはzoomです。日々の授業以外にも、飲み会など、友人同士の雑談にも頻繁に利用されているようです。オンラインでバースデーを祝ってもらったメンバーや、「気がつけば、6時間繋げっぱなしだったこともあった」というメンバーもいました。パソコンでビデオを繋げて、スマホのLINEも同時に使ったゲームで盛り上がるなど、なかなか会えないからこそ、様々な方法で交流を深めようと頑張っています。「勉強会」を開催したあるメンバーは、「捗るかといえばそうでもないけど、頑張っているのは自分だけじゃない、という安心感がある」と話します。中には、「途中で『寝落ち』してしまった友達の寝息をBGMに課題を頑張っている」というメンバーもいました。リアルではなくても、「誰かとつながっている」ことの安心感が大切なのだと実感します。
最近、連日のように多数の感染者が報じられ、私たち若者がその大半を占めている、と言われます。後期の授業や、学園祭まで、オンラインで行う、という大学が増えてきました。私たち大学生にとって、以前のように、買い物や飲み会で気軽に外出する、ということは、当分先のことのようです。オンラインが当たり前になった日常で、どうやってコミュニケーションを深めていけばいいのか、まだまだ試行錯誤が続きそうです。
(昭和女子大学・樽谷三奈)
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