新型コロナウイルスの国内での感染が収まらず、キャンパス・スコープ(キャンスコ)のメンバーが通う大学の多くで、オンライン授業が再開されています。この1年で慣れてはきたものの、授業を受ける場所に困る声なども少なくありません。(流通経済大学3年・石井美帆)
家族に「音を立てないで」
東京都に3度目の緊急事態宣言が発令された4月末以降、全ての授業がオンラインに切り替わったという都内の私立大2年男子は、「対面のほうが授業の質はいいが、通学が不要なオンラインは自由な時間がとりやすい」と話します。
特に事前に録画されたものを再生する授業は、「好きな時間に視聴できる」「再生速度を上げて時間を節約したり、重要な点を何度も聞き直したりできる」などをメリットとして挙げる意見が目立ちます。
一方、決まった時間に生中継で行う授業は、学生同士が議論したり、教員に質問したりでき、事前録画の授業よりも、対面に近くなります。ただ、キャンスコメンバーの3年女子は、「授業中、自宅で家族がテレビを見ていると音が聞こえてしまうので、イヤホンを着けてもらっている」と話します。家族からは、「今日は何時までオンラインなの?」と聞かれることも多くなりました。
私も、オンライン授業中は、家族に音を立てないようお願いしています。特に、保育士を目指すコースのピアノ指導をオンラインで受けるときは、私が弾く電子ピアノの音や歌声を先生に聞きやすくしてもらう必要があります。
教室、開放の大学も
自宅の通信環境が悪く、大学でオンライン授業を受けたいと希望する学生を想定し、教室などを開放する大学もあります。私の大学でも教室を開放していますが、同じ教室で、別の授業を受ける学生がいるなど、声を出して発言するのが難しい場合は、「チャットなどで発言してください」との要請がありました。
今後、コロナがある程度収束しても、ゼミなど少人数の場合は対面、大人数はオンラインといった形態の授業が増えそうです。4月の緊急事態宣言前に、都内の大学で、対面とオンラインの両方の授業を受けたキャンスコメンバーの2年女子は、「パソコンを常に持ち歩き、1限目はオンライン、2限目は対面など、バラバラに授業を受けるのは大変。対面だけに統一して授業が受けられる日が待ち遠しい」と話していました。
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