全世界的な新型コロナウイルスの流行は、社会・経済に大きな混乱を与えています。私たち大学生にも、サークル活動の自粛や卒業式・入学式の中止、そしてアルバイト収入の減少など、たくさんの影響がありました。キャンパススコープでは、3月上旬から、メンバーを中心に多くの大学生の声を集めました。いま、私たちの生活に何が起きているのかをリポートします。
自粛中の過ごし方
突然訪れた、予定のない「長い春休み」。でも、海外旅行には行けないし、イベントも次々中止・延期。おまけにアルバイトのシフトにもなかなか入れません。私たち大学生は、どうやって過ごせばよいのでしょうか。
あるメンバーは、「テレワークで親が家にいるので、7時には起こされる。仕方がないので時間があるときは、映画館に行っている」と話しています。火災に備え、もともと換気対策がされていることや、職員の検温など、万全の対策をとっている、というアナウンスがあるそうです。「やることが無いので、読書が進む」という声も。普段は「月に1冊読めるかどうか」というメンバーは、時間に余裕があるため、ペースが倍以上になったそうです。「自分の専攻に関する本を週に1冊読むように心がけている」というメンバーもいます。「新たな趣味に挑戦する良い機会」と考えてアコースティックギターを購入し、「スピッツの『チェリー』を習得した」というメンバーもいました。
思わぬ「ゆとり」で家族との時間も増えました。大学生ともなれば、普段は仕事や学業が忙しく、なかなか家族全員がそろうこともありません。あるメンバーは、父親が在宅勤務、妹も休校になり、家族団欒の時間が戻った、といいます。「普段は忙しくて一緒にご飯を食べることもないが、機会が増えて楽しい」と話しています。また、足が不自由な祖父母の買い物にも付き添いました。日曜大工が好きな祖父とホームセンターを歩いていて、「たまたま見つけた」という自由工作セットに挑戦。「工作は普段全くやらないが、たまには違うことをしてみるのも良い経験になった」と話しています。
私自身も予定が急に無くなってしまったので、ミシンのある祖母の家に行って手作りマスクに挑戦しました。作り方をインターネットで調べ、手芸が趣味の祖母に相談に乗ってもらいながら、4枚のマスクを作成しました。当初は、自分・父・母の3人分だけ作るつもりでしたが、ミシンを貸してくれただけでなく、いろいろ相談にも乗ってくれた祖母にも1枚プレゼントしました。思えば、祖母と何かを作るのは小学生以来でした。手作りマスクは市販のマスクのような効果は期待できないかもしれませんが、楽しい時間を過ごせました。
自由工作セットで棚づくりにチャレンジ。中学生以来の経験にワクワクした |
世界中で猛威をふるうコロナウイルス。私たち若者は、「重症化のリスクが低いが、気づかずに感染を広めてしまう可能性がある」といわれています。だからといって、ただ「自粛」するだけでなく、生まれた時間を工夫して最大限に活用し、私たちの未来につなげていけるようにしていきたいと思います。
(日本女子大学・中村樹嶺=じゅね)
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