「ぷらそにか」西山晃世さんインタビュー【キャンスコ44号先出し企画】その4

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 大学生にとって大切なものの一つに、「音楽」があると思います。コロナ禍の日々で沈みがちな心を勇気づけてくれるような曲が、皆さんにもあるのではないでしょうか。今、ライブなどの活動が制限され、音楽業界も大きなダメージを受けています。そんな中、地道に活動するアーティストたちは何を考えているのか。オンラインで地道に活動を続けている音楽ユニット「ぷらそにか」。メジャーデビューを目指す若いシンガーソングライター達の中でも、大学に通いながら活動しているメンバーたちに、等身大の声を聞きました。

(聞き手=東洋大学・吉田一葵、写真はぷらそにか提供)

 

音楽は自分の想いを伝えるための手段

 

 ボーカルだけでなくギター、ベース、カホン(打楽器の一種)など多彩な楽器演奏でもチームを支えている西山さん。シンガーソングライターとして、「一般の大学生の生活をしていく中で感性を磨き、いい歌詞を書いていきたい」と心がけています。授業を受け、アルバイトをする「普通の大学生」。一見つまらなそうにも思えることが、なぜ「感性を磨く」ことになるのか。「音楽活動だけに絞って書いた曲はあまり面白くない歌詞になってしまう。両立しているからこそいいことがある」と話します。

 両立には当然、困難が伴います。楽曲の制作やライブの準備が学校のテストに重なってしまうこともしばしば。睡眠時間を削ってでも音楽活動に打ち込めるのは、自分の音楽を聴いてくれる人に、「想いを伝えたい、何かを感じてほしい」という思いからこそ。楽曲「good night Lucie」では、シャイな自分自身を「チキンボーイは送るテレパシー」と表現しました。作詞・作曲・アレンジ・演奏全てを自分で行う西山さんは、自分の世界観を作ることに強いこだわりを持っています。

 一方で、西山さんは「ぷらそにかは『Fam』(Family=家族のスラング)」と表現します。メンバーはコロナ禍でもオンラインで深夜まで話すほど、お互いを頼りにしていたそうです。共通するのは、普通の大学生とは違う「社会の外れもの」ということ。「音楽活動をしている僕らを『何をやっているんだ』という目で見ていた人もいた。そういう目で見られてきた感情は、同じ境遇の人しかわからない」。だからこそ、深い信頼感で繋がっているのだと言えそうです。「社会の外れもの」だけど、「普通の大学生」たちが集まって奏でる音楽。だからこそ、同世代の強い共感を呼ぶのかもしれません。

西山晃世(にしやま こうせい) ギター、ベース、ドラム。優しくも力強いハイトーンボイスが持ち味の20歳のシンガーソングライター

ぷらそにか

メジャーデビューを目指す若手シンガーソングライターが集まったアコースティック・セッション・ユニット。「+(プラス)、ソニック(音楽)」=参加することが若いメンバーの音楽活動の"プラス"になってほしい――という思いが込められている。東京・名古屋・大阪でそれぞれグループとして活動。主なメンバーはYOASOBIのボーカル幾田りら(ikura)など。YouTubeのチャンネル登録者数13.4万人(2020年6月30日時点)。10代から20代を中心に人気を集めている。

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10/12-10-16 ぷらそにか5days配信ライブ決定

記者から

西山さんの歌詞には、大人と子供の間でゆらゆら漂う「大学生」の思いを感じます。私たち大学生は、就職活動を通じて、「大人」の世界へ出ていかなければなりません。そんな「覚悟」のようなものを、西山さんに改めて教えられたような気がします。

※10月1日発行のキャンスコ44号では「ぷらそにか」を特集しています。お楽しみに!

(2020年8月29日 12:00)
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