「ぷらそにか」有彩さんインタビュー【キャンスコ44号先出し企画】その3

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 大学生にとって大切なものの一つに、「音楽」があると思います。コロナ禍の日々で沈みがちな心を勇気づけてくれるような曲が、皆さんにもあるのではないでしょうか。今、ライブなどの活動が制限され、音楽業界も大きなダメージを受けています。そんな中、地道に活動するアーティストたちは何を考えているのか。オンラインで地道に活動を続けている音楽ユニット「ぷらそにか」。メジャーデビューを目指す若いシンガーソングライター達の中でも、大学に通いながら活動しているメンバーたちに、等身大の声を聞きました。

(聞き手=東洋大学・吉田一葵、写真はぷらそにか提供)

 

無観客だからこそ、つながれたライブ

 

 「会えないけれどみんなの声が聴けてうれしい!」「癒されました~」「次はライブ会場で会えるのを楽しみにしています!」

 「ぷらそにか大阪」が今年の夏に予定していた初めての単独ライブは、無期限延期になりました。その代わりに4月26日に行った初めてのYouTube配信ライブ。有彩さんは、「顔は見えなくても、声でつながれた」と振り返ります。限られた状況で交わされるコミュニケーションの良さに気づかされました。

 有彩さんは大阪の大学に通う20歳。「癒し」と評される声が持ち味です。高校生のとき、YouTubeで同世代のぷらそにかメンバーの姿を見て「自分も同じステージに立ちたい」と、加入しました。音楽活動の中で大切にしているのは、「学生」であること。「大学は自分について考えるための時間。将来の選択肢を増やすためにも、学問を優先する」と力を込めます。大学の専攻は社会学。「当たり前を疑う」という社会学の考え方は、音楽活動にも強く結びついます。「自分の音楽の在り方にも、常に疑問を投げかける」ことを心がけています。

 「社会の当たり前は、当たり前じゃない」と考えることから始まる社会学の考察。コロナ禍では、誰もが「当たり前の生活が、当たり前ではなかったこと」に気づかされました。有彩さんにとっても、コロナ禍は、同じ時間を共有してきた「ぷらそにか」の仲間たちとの関係性を振り返るきっかけになりました。「何かを一緒にやりたい。もう一度同じ時間を共有したい」という思いは募る一方です。「ぷらそにかは、帰るべき我が家」と話す有彩さん。これからも、「家族」と一緒に、素敵な音楽を届けてくれそうです。

有彩(ありさ) 「ぷらそにか大阪」のオリジナルメンバー。ボーカル、カホン、ギター等。ファンからメンバーに

ぷらそにか

メジャーデビューを目指す若手シンガーソングライターが集まったアコースティック・セッション・ユニット。「+(プラス)、ソニック(音楽)」=参加することが若いメンバーの音楽活動の"プラス"になってほしい――という思いが込められている。東京・名古屋・大阪でそれぞれグループとして活動。主なメンバーはYOASOBIのボーカル幾田りら(ikura)など。YouTubeのチャンネル登録者数14.3万人(2020年8月25日時点)。10代から20代を中心に人気を集めている。

ぷらそにか 公式サイト

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10/12-10-16 ぷらそにか5days配信ライブ決定

記者から

サークル、勉強、アルバイト。大学生の誰もが「両立」に悩むことがあるでしょう。私たち3年生には、これから「就活」も加わります。両立を「大変」と思うばかりではなく、「選択肢」と考える有彩さんの言葉には、学問にもしっかり打ち込んでいるからこその強い思いを感じました。「両立」は自分の「可能性」を広げるための努力の時間――。有彩さんからはそんなメッセージを受け取ったような気がします。

※10月1日発行のキャンスコ44号では「ぷらそにか」を特集しています。お楽しみに!

>>その4

(2020年8月28日 16:00)
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