証券会社の仕事とは？創業120年を超える歴史を刻み、世界の24カ国・地域に拠点を持つ大和証券株式会社。そんな証券会社の働き方について、人事部人材開発課の角間凜子さんに伺いました。（上智大学・佐藤晶紀）

　

　

学んだことが、だれかのために

　

――大和証券の職種や仕事内容について簡単に教えてください。

　

角間：大和証券は「総合証券グループ」であり、「リテール部門」と「ホールセール部門」に大別されます。私が以前担当していたリテール部門では株式の取引や、資産運用などを希望するお客様と直接やり取りし、お客様のニーズに合うご提案をしていました。

　

　

――１日のスケジュールを教えてください。

　

角間：リテール部門時代の話をします。株式の取引は午前９時から始まるので、証券会社は朝が早いですね。まず、通勤途中の電車の中で新聞を読みます。出社後は朝の会議があり、支店長からその日の株式市場の見通しについて情報共有があります。その他にも、海外駐在の社員からは海外の市場の様子をまとめたレポートが発信されています。とにかく、勉強することが日課でした。取引が始まる９時前後が最も忙しい時間帯です。お客様からのお問い合わせの対応の内容を踏まえて、その日の株の動きなどの情報を伝えながら売買を提案します。

　

　10時以降は、社員やその日によって業務が変わります。お客様とのアポイント以外にも、いわゆる「飛び込み営業」もしていました。こちらから電話をかけて資産運用のご案内をすることもあり、スケジュールは様々です。株の取引は15時には終わるので、私は夕方頃にお客様のもとへ足を運ぶことが多かったですね。

　
　忙しいイメージがあると思いますが、「19時前退社」を徹底しています。仕事に慣れていない新入社員でも、残業は少なく、定時である17時10分には帰宅することが多いですね。

　

――大和証券を志望された理由は何ですか？

　

角間：就職活動をするうえで、「学び続けられる環境」と「学んだことが誰かのためになっていることを実感できる仕事」という点を軸に就職活動を行ってきました。証券会社では、日々変動する株価を意識しながら、新聞を読み、市場について自分で考えることが必要です。こういった点が私の軸にあっていると感じました。

　

　周囲には、「大きい仕事や、世の中にインパクトを与える仕事がしたい」という友人もいましたが、当時の私にとっては「大きい仕事」の具体的なイメージがわきませんでした。それよりも株式市場について勉強し、学んだことを目の前のお客様に伝える、その結果としてお客様に利益を出して喜んでいただき、それが自分の仕事の成果になる――。こういった、成果が目に見えてわかる仕事がイメージしやすいと考えました。

　

――働くうえで大切にしていることはありますか。

　

角間：ネット証券などもあり、私たちがいなくても株式の取引自体はできてしまいます。そんな中でも、私たちを頼ってくださるお客様のために「自分にしかできない仕事をする」ということを大事にしています。お客様は、企業の経営者など富裕層の方が多いです。そんな方々に、「私の意見を言う」ということを、最初は難しく感じていました。しかし、「求められているのは私ならではの考えだ」ということに気づいてからは、自信を持って自分の意見を伝えられるように勉強に励んでいます。「角間さんのおかげでこの取引ができた」と褒めていただけることにやりがいを感じます。

　

　

　

――採用では何を重視していますか。

　

角間：面接での皆さんの姿は、お客様から見た姿と重なります。やはり第一印象や人あたりは大切です。また、仕事の内容について理解し、働くイメージを持っていてほしいですね。「仕事が好き」だと思って取り組んでほしいので、単なる憧れではなく、業務内容を具体的にイメージしたうえでこの仕事に挑戦してみたいと思っていただきたいです。私たちが行うインターンシップでは、様々な現場の社員との座談会を多く設けています。こういった機会を通じて、働くイメージを深めてもらいたいです。

　

　

　

――就活生にメッセージをお願いします。

　

角間：様々な業界のお客様と接するときに、「もっとこの業界についての知識があれば」と思う時があります。就職活動の期間は、様々な業種・職種に触れる絶好の機会です。いろいろな職種について知識を深め、「挑戦してみたい」と思える仕事に出会ってください。