【ワイズメディア11月号から】志望校の決め方

 中学校に直接お届けしている高校進学情報紙「(ys media)」(発行:読売エージェンシー)の最新号の注目記事を、「中学生向け」コーナーに掲載しています。

 「ワイズメディア」は、原則として2、4、8月を除く各月上旬の発行で、東京・埼玉・神奈川・千葉の公立中学校の2、3年生に学校を通じて配布しています(※発行月・回数は版により異なります)。より親しみやすく、わかりやすく「最新の入試傾向や入試制度を理解してもらう」、学校選びに欠かせない「個々の学校自身を知ってもらう」を編集の2本柱とし、生徒と保護者の高校合格への第一歩のお手伝いをするタブロイド新聞です。


 

今月のテーマ「志望校の決め方」

あなたにとって大切なことは何ですか
志望校選びとは、この問いに答えること

 

 さあ、いよいよ志望校選びが大詰めに近づいてきました。いつごろまでに、どうやって決めたらいいのか。そんな悩みを持っている人も多いでしょう。そこで今回は、志望校を決める時の考え方や態度について考えてみることにします。

 

■志望校決定は早いほうがいい

 よく受験生の皆さんから「志望校はいつごろまでに決めたらいいか」という質問を受けます。

 しかし、この種の質問には唯一の正解というものがありません。10人に尋ねれば10通りの答えが返ってくるかもしれない、そういう問題なのです。
 そこで、ここでは差し当たり「可能な限り早い方がいい」を回答としておくことにします。そのほうが心も落ち着くし、その学校の試験対策のため十分な時間が取れると考えられるからです。
 ただし、間際になって決めたり変更したりしたにもかかわらず合格を勝ち取った先輩も大勢います。今の段階では合格は難しいとされている学校であっても、これからの頑張りで手が届くかもしれません。その可能性は大いにあります。
 ですから、いったん決めた学校であっても、状況次第で変えても構わないのだということも付け加えておきましょう。


今を基準に考えてはいけない

 「どうやって志望校を決めたらいいか」。
 これもよくある質問です。
 最後は合格の可能性と試験日程。これは誰に尋ねてもおそらく同じような答えが返ってくるでしょう。その学校のレベルや倍率、自身の学力、それに日程を加味して総合的に判断し決定します。
 大事なのは、自身の学力です。ほかの要素は年によってそれほど大きく変わりませんが、あなたの学力は変化します。これは良い方に変化することもありますが、残念ながらその逆もあります。あなたが努力さえすれば絶対的な学力は間違いなく上がるわけですが、周りの人がそれ以上の努力をすれば相対的な学力は下がってしまいます。
 いずれにしても、学力は変化するものですから、今の学力を基準として、そこから考え始めるのは良いやり方ではありません。「伸ばすんだ」、「必ず伸びるはずだ」、そういう強い気持ちを持ってください。

 

■自分が大切にしたいことを考えてみる 

 「あなたにとって大切なことは何ですか?」
 これに対する答えがそのまま学校選びの答えになります。
 洋服ひとつ選ぶのでも、「まずはデザイン」、「まずは色や柄」、「まずは値段」と、人それぞれです。もちろん学校選びは洋服選びなどとは比較にならない重い選択ですが、要は他人に決めてもらうものではないということです。
 あなたにとって一番大切なことが叶えられる学校。それがあなたの志望校です。二番や三番は叶えられそうだけど一番は叶いそうもない。それでいいのですか。極端に言えば、一番が叶えられれば二番や三番はいいではないですか。あらゆることが満たされればそれに越したことはありませんが、一番大切なことに従いましょう。

 

■相談し、判断は自分でする

 ここまで述べてきたことと一見矛盾するようですが、ご家族や先生方の意見はよく聞きましょう。 

 自分で決めることだから他人の意見は聞かないというのでは、まるで幼稚園児か小学生で15歳の中学生の態度とは言えません。
 他人には相談するのであって、判断は自分で下すものです。相談と判断、ここを間違わないでください。
 すでに実行していると思いますが、学校はできるだけたくさん見ておきましょう。あまり見過ぎると迷ってしまうと言う人がいますが、ちょっと逃げの姿勢に思えます。
 学校選びは元々そんなに簡単に答えが出る問題ではないのです。迷うべきなのです。迷いの先に、あなたにとっての正解があるのです。


「ワイズメディア」の最新号やバックナンバーの全ページは>>こちらからご覧になれます

(2019年11月 5日 14:35)
TOP