東京・千代田区の正則学園高校の活動を紹介する「読売中高生SDGs新聞」が完成し、このほど、同校に届けられた。
生徒たちが取り組んだのは、琵琶湖周辺を覆う、イネ科の植物「葦」(あし、関西ではよし、と呼ぶ)群落の整備。葦は琵琶湖の水質改善、湖岸の整備、固有種の保全などの役割を果たしているが、近年は人の手が入らないために荒廃が進んでいる。昨年7月に活動をスタートさせた生徒たちは、新聞記事などから情報を得ながら、国連大学でのワークショップや、滋賀県での事前合宿にも参加。事前合宿で訪れた地元・滋賀県で活動する企業の取り組みを通じて理解を深めた、今年2月、生徒約20人が集大成としての葦刈りに臨んだ。一本一本は軽い葦でも、束になればかなりの重さ。まだ雪の残る琵琶湖の湖岸で、生徒たちは汗だくになりながら、活動に取り組んだ。刈り取られた葦は、コピー用紙やノートなどの「びわこ和紙」として再利用されるという。
今回の活動でもう一つ、生徒たちが力を入れたのは、SDGs活動を自分たちの手で情報発信すること。読売新聞の記者による出前授業を受け、取材や写真撮影の基本を習得し、葦刈りの様子を自分たちの手で詳細に記録した。自分たちで書いた記事、自分たちで撮影した写真で、「世界に一つだけのSDGs新聞」に仕上げた。
新型コロナウイルスの影響で遅い終業式となった3月25日、読売新聞の工場で印刷され、学校に届けられた新聞を手にした生徒たちは、自分たちの活動の成果が新聞という「形」になったことに大興奮。「この気持ちはSNSでは味わえない」「本物の号外のように、街で配りたい」と誇らし気に話していた。