東レの出前授業が2016年10月20日、鎌倉市立大船中学校(神奈川県鎌倉市)で行われた。同社が研究開発に力を入れている先端素材と地球環境問題とのかかわりについて理解してもらおうというもので、基礎研究センターで医薬研究に携わる渕信寛さんが講師を務めた。
理科室を使って行われた授業では、同社が開発した中空糸膜という、家庭用浄水器のカートリッジなどに使われている素材を使って、青色の絵の具を混ぜた食塩水をろ過する実験を実施。まず、絵の具を混ぜた水を通すと、透明な水にろ過されるのを確認した。一方、中空糸膜を通した食塩水をホットプレートに垂らし蒸発させると、プレート上に食塩が残り、食塩はろ過されないことも確認。絵の具の粒子はろ過できて、食塩の粒子はろ過できないことを、自らの目で確かめることで、物質によって粒子の大きさに違いがあることを生徒たちは体感した。
授業の後半は、渕さんが自らの経歴を語りながら、企業で働く研究者の仕事について紹介。莫大な時間と資金が必要となる医薬品の研究開発の大変さ、やりがいなどについて熱く語った。生徒から、「今はどんな薬の研究に力を入れているのですか」との質問が出ると、渕さんは「今は患者さんの痛みを和らげる薬を作ることなどに力を入れています」などと語っていた。
授業を受けた生徒の一人(14)は、「普段使っているものに、こんな先端技術が使われているということに驚いた」などと話していた。
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