医療体験プログラム

先輩たちから

(下)人工臓器体験型セミナーに高校生ら180人《生徒の声》

補助人工心臓の仕組みを生徒たちに説明する大阪大学の臨床工学技士(左)

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 高校生らを対象とした体験型医療セミナー「人工臓器ってなんだろう~触ってみよう人工臓器~」が11月15日、第57回日本人工臓器学会の一環として大阪市内のホテルで開かれた。心臓の手術や治療で実際に使われる人工臓器や医療機器を手にしたり、外科医がマンツーマンで人工血管の縫合を教えたりするセミナーは、大会事務局を務めた大阪大学心臓血管外科が今回初めて企画。関西地域から読売新聞教育ネットワーク参加校の高校生ら約180人が集まった。


 

 「医療に携わりたい気持ちが強くなった!」「人工心臓が、移植を受けるまでの一時的な医療機器だなんて知らなかった...」──。セミナーに参加した高校生の声を紹介する。

「仕事が楽しいと人生は楽園だが、楽しくないと地獄になる」という澤教授の言葉に刺激を受けた。自分も楽園に生き、さらに他の人を助けることで、その人も楽園に生きられるような未来を作りたい。

 心筋シート治療のメカニズム解説も勉強になった。移植したシートが、悪くなった心筋細胞の代わりに働くものだと想像していたが、実際はシートから分泌される物質が薬のように作用するのだという。再生医療には研究の余地がたくさんあることが分かり、いつか私も研究に携わりたいと思った。


清水 茉里野さん(大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎3年)

 命を救うことの素晴らしさを身に染みて感じたセミナーだった。講演でスポットライトが当てられていたのは、まだ人工心臓がない時代でも、何とか人々を救おうと頭を捻った医師たちの存在。彼らの努力が、今の医療に繋がっているのだと思った。

 人工血管の縫合体験では、医療のイロハも知らない私に心臓血管外科の医師たちが丁寧に教えてくれて嬉しかった。おかげで、上手に片手結びができるようになりました!


舟津 花音さん(大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎1年)

 医療技術がどんどん進歩していることを体感できて、今は完治が難しい病気でも、いつか治せるようになるだろうという希望が湧いた。そして、若い世代の私たちが、その役割を担っていくのだと実感した。

 体験コーナーでは、やっぱり電気メス。鉛筆で字を書くように、力を入れずに細かい動きが出来ることが分かった。


橋本遥七さん(清風南海高校2年)

 心臓が全身に血液を送るのを助けるための器具を、実際に左心室に入れるというシミュレーションを体験できた。難しくて繊細な、この作業を医師は素早く行っているのだと思うと、とても驚いた。


T.Nさん(須磨学園高校1年)

 人工弁の展示コーナーで、カテーテルなどの医療機器が非常に高額で驚いた。「人の命にはそれだけの価値がある」という説明は、今でも忘れられない。


Y.Kさん(灘高校2年)

 医療に関わるのは臨床医だけだという思い込みがあったが、その裏では手術で用いる器具などを研究開発する人たちがいることが分かった。幅広い分野から医療にアプローチできるのだという澤教授の言葉が印象に残っている。


S.Kさん(東大寺学園高校2年)

 今、日本で行われている先進医療、そして私たちの世代に求められる数々の課題。セミナーに参加したことで未来への視界が開け、「頑張ろう!」と思えた。展示されていたiPS細胞由来の心筋シートはシャーレの中で拍動していて、ただただ不思議だった。興味がわきました。


F.Nさん(立命館守山高校2年)

人工血管の縫合にチャレンジ!
電気メスで柿を切ってみた
2019年夏の早期医療体験プログラムに参加した生徒も来場した(左の3人)

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(2019年12月27日 12:05)
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