大学ビブリオ・オンライン大会 甲南女子・堀内さんV

「コロナ禍の今こそ読んでほしい」と話す堀内さん

 「大学ビブリオバトル・オンライン大会2020」(活字文化推進会議主催、一般社団法人ビブリオバトル協会、ビブリオバトル普及委員会、読売新聞社共催)の決勝戦が20日行われ、甲南女子大学文学部2年の堀内八衣乃さんが紹介したSF小説『ハーモニー』(伊藤計劃著、早川書房)がグランドチャンプ本に輝きました。

 同書は、新型ウイルスが蔓延して世界が大混乱に陥ったことをきっかけに、人々の体調を管理して不調がないか監視するという社会が描かれています。堀内さんは「著者の伊藤さんは既に亡くなっていて、埋もれさせたくないという思いで紹介しました。私の発表をきっかけに多くの人が読んでくれたら嬉しい。いい読後感、何とも言えない感覚で、コロナ禍の今こそ、読んでほしい」と喜びを語りました。高校の全国大会にも出場したことがあり、大学進学後は大阪大学のビブリオバトルサークルに参加したり、大阪工業大学の学生とも積極的にビブリオバトルを行ったりしているという堀内さんにとって、「ビブリオバトルは体の一部みたいなもの」という。

 堀内さんには活字文化推進会議からトロフィーのほか、1月に直木賞を受賞した川越宗一さんのサイン入り著書「熱源」、図書カードが贈られました。

 大会は新型コロナ感染症蔓延のため中止となった第11回全国大学ビブリオバトル京都決戦の代替大会として実施。11月28日から予選が行われ、全国各地の大学生500人が参加しました。ウェブ会議システムを使い、視聴者の投票でチャンプ本を決定しました。

 オンライン大会の模様はYoutubeで見ることができます。

(2020年12月23日 09:47)
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