さかとくみ雪さん「ライオンのくにのねずみ」大賞 書店員が選ぶ絵本新人賞2024

 書店員の目線で新たな絵本作家を発掘する「書店員が選ぶ絵本新人賞2024」(読売新聞東京本社、中央公論新社主催)の受賞作が1日発表され、大賞にドイツ在住のデザイナー、さかとくみ雪さん(44)の「ライオンのくにのねずみ」が選ばれた。11月に中央公論新社から刊行予定。

 

「ライオンのくにのねずみ」さかとくみ雪さん ドイツ在住デザイナー

さかとくみ雪さん

 2回目の今回は国内外から422作品の応募があり、全国の書店員406人がオンラインで選考に参加した。

 

 さかとくさんの作品は、ライオンの国に引っ越したねずみが主人公。言葉も通じないライオンを怖がっていたが、サッカーを通じてお互いのことを知ることになっていく、という物語。言葉や文化の壁を乗り越えていく動物たちの姿が、国際理解の大切さを説く寓話ぐうわになっている。

 投票した書店員からは「子どもも大人も楽しめて考えさせられるストーリー」「最初は動物の話として楽しめ、年齢が上がるにつれて内容の深さに気付ける」との意見が寄せられた。

 

「ライオンのくにのねずみ」の一場面

 

 さかとくさんは「自分の海外での体験をベースに、多様で寛容な世界を願って作った。本のプロに選んでいただき、とてもうれしく光栄に思う」と喜んでいる。さかとくさんには賞金50万円が贈られる。

 

 特別賞には、はせがわまりさん(18)の「わたしはかわいいおにんぎょう」、いすやますみえさん(41)の「ズグロカモメの夏」の2作が選ばれた。特別賞受賞者には賞金10万円が贈られる。

 

(2024年7月 3日 09:40)
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