全国高校ビブリオバトル代表、佐賀と宮城でも決定...12月2~3日
佐賀...山下美幸さん、チャンプ本は「六人の嘘つきな大学生」
「六人の嘘つきな大学生」の魅力を紹介する山下さん
おすすめの本を紹介し合う書評合戦「佐賀県高校ビブリオバトル」が3日、県庁旧館で開かれた。7校9人が参加し、龍谷高3年の山下美幸さん(18)が優勝した。山下さんは県代表として決勝大会に出場する。
制限時間5分で本の内容や魅力を紹介し、会場で「どの本が一番読みたくなったか」を基準にした投票の末に「チャンプ本」を決める。今回は2グループに分かれて予選を行い、4人が決勝に臨んだ。
山下さんは、浅倉秋成さんのミステリー小説「六人の嘘(うそ)つきな大学生」を取り上げた。大学進学を控えていることから、高校の図書館で題名にひかれ手にした。
「読んでいると、張られていた伏線が回収される爽快感があり、紹介したいと選んだ」と話し、「緊張したが、楽しめた。決勝大会では優勝を目指したい」と意気込んでいた。
決勝大会(特別協力・東京国際大学)は来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都)で開かれる。
宮城...西村奏音さん、チャンプ本は「小説の小説」
本の魅力を力説する西村さん(2日、名取市で)
高校生がお気に入りの本を紹介し、最も読みたくなった本を会場の投票で決める「高校ビブリオバトル宮城県大会」(県教育委員会主催、読売新聞東北総局、活字文化推進会議後援)が2日、宮城県名取市の県総合教育センターで行われ、古川黎明高3年の西村奏音さん(17)が優勝した。
今年は12校から12人が参加した。身ぶり手ぶりを交え、表情豊かに本の魅力を5分間でアピール。その後、会場の質問に答えた。予選を勝ち抜いた4人が進んだ決勝では、西村さんの「小説の小説」(似鳥鶏著、KADOKAWA)が最多得票を獲得した。
表現の決まり事を逆手に取った不思議な短編集で、西村さんは「新しい発見が満載の本。小説の本質を考えさせられる」。収録の4編の中では「無小説」がお気に入りだとし、「著者が一文字も書いていない作品。ぜひ手に取ってみてください」と語った。優勝が決まると、「皆さんに興味を持っていただけたのがうれしかった」と笑顔を見せた。
西村さんが出場する全国大会(特別協力・東京国際大学)は来年1月28日、東京都豊島区の東京国際大学池袋キャンパスで開催される。