全国高校ビブリオバトル代表、長野で決定...中学も

長野県大会で優勝した宮崎さん(左)と林さん(23日、長野県塩尻市で)

 中高生がお薦めの本の魅力を語る書評合戦「ビブリオバトル」の長野県大会(県大会実行委員会主催、読売新聞社後援)が11月23日、長野県塩尻市の塩尻総合文化センターで開催された。高校部門で県立須坂高校1年の宮崎愛生(めい)さん(16)、中学部門で塩尻市立丘中学校1年の林なのはさん(12)が優勝した。2人は県代表として全国大会に出場する。

 

高校は宮崎愛生さん、「アリアドネの声」を紹介

 高校部門は12人、中学部門は3人が出場した。5分間で本の魅力を紹介し、審査委員と聴衆らの投票で一番読みたくなった本「チャンプ本」を決めた。

 

 宮崎さんが取り上げた「アリアドネの声」(井上真偽著、幻冬舎)は、主人公の男性が地震で封鎖された地下から女性を助け出す物語。女性は目が見えないなどの障害を抱え、地下の崩壊も迫る。「絶対絶命」の状況で、不可解な出来事が次々と起こる。宮崎さんは決勝の舞台でも落ち着いた口調で作品の魅力を伝え、「きっと誰もが無理だと諦めてしまうような前代未聞の救出に挑むスリルがある」とアピールした。

 

中学は林なのはさん、「母さんがどんなに僕を嫌いでも」を語る

 林さんが選んだ書籍は「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(歌川たいじ著、KADOKAWA)。親から愛されなかった少年が苦難にめげず幸せをつかむ過程が描かれている。林さんは虐待やいじめに関し、法整備が進んでいる状況を説明した上で「もっと色んな人に知ってもらって、虐待やいじめをゼロにするのが目標」と訴えた。

 

 全国大会に向け、宮崎さんは「もう一回読み直して、もっといい発表をしたい」とし、林さんは「相手に語りかけるように伝えたい」と意気込みを語った。ビブリオバトル

(2024年12月 4日 12:50)
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