全国高校ビブリオバトル代表、宮城で決定
本の魅力を力説する今野さん(11月30日、仙台市青葉区で)
高校生がお気に入りの本の魅力を語り、聴衆が一番読みたくなった本を投票で決める「全国高校ビブリオバトル宮城県大会」(宮城県教育委員会主催、読売新聞東北総局、活字文化推進会議後援)が11月30日に宮城県庁で行われた。石巻工業高3年の今野光理さん(17)が優勝し、来年1月に開かれる決勝大会への切符を手にした。
今野光理さん、チャンプ本は「虎に翼」
今年は11校から11人が出場。声に抑揚を付けたり身ぶり手ぶりを交えたりして、自身がお薦めする本の魅力を5分間でアピールした。2分間の質疑応答を経て来場者らが最も読みたくなった本を多数決で決めた。予選を勝ち抜いた4人が決勝に進み、今野さんが紹介した「虎に翼」(吉田恵里香著、NHK出版)が最多得票を獲得した。
今野さんが紹介したのは、女性初の弁護士の一人で、戦後に裁判官も務めた三淵嘉子さん(1914~84年)がモデルになっている本。
当時は当たり前とされていた女性への不合理な対応に対し、疑問の声を上げる主人公の姿に「気になったことに立ち止まって考える主人公に、当たり前とは何か考えさせられる」と魅力を伝えた。穏やかに呼び掛けるような語り口が聴衆を引き付けていた。
投票の結果、優勝が決まると、今野さんは「去年は惜しくも2位だったので、友人や先生にいい報告を持ち帰れてうれしい」と笑顔を見せた。
今野さんが出場する決勝大会は来年1月26日、よみうり大手町ホール(東京都千代田区)で開催される。
(2024年12月12日 16:00)