全国高校ビブリオバトル代表、鳥取で決定

「対岸の家事」の魅力を語る岩田さん(倉吉市で)

 高校生がお気に入りの本を紹介し合い、一番読みたくなった本を投票で決める「全国高校ビブリオバトル」の鳥取県大会(県教育委員会主催、活字文化推進会議、読売新聞社など後援)が12月8日、倉吉体育文化会館(鳥取県倉吉市山根)で開かれ、湯梨浜学園高2年の岩田侃大(かんた)さん(16)が優勝した。来年1月26日によみうり大手町ホール(東京都千代田区)で開かれる決勝大会に出場する。

 

岩田侃大さん、チャンプ本は「対岸の家事」

 鳥取県大会には8校から11人が出場。予選は3グループに分かれ、5分の持ち時間で好きな本の魅力を語った。出場者と来場者の投票で各グループから1人が決勝に進み、岩田さんが紹介した「対岸の家事」(朱野帰子著、講談社)が最多得票の「チャンプ本」に選ばれた。

 

 家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ専業主婦の詩穂が主人公。自分の選択が正しかったのか迷う詩穂の周りには、性別や立場が違っても現実に苦しむ人たちがいた――というストーリーだ。

 

 岩田さんは専業主婦について「この本を読めばイメージが180度変わると思う」と力説。中学生の頃、先輩から友人関係の悩みを打ち明けられた自身の経験に触れながら「本では様々なキャラクターが悩みを抱えて日々を暮らしている。その中にはみなさんが心から共感できる人物がいるはず。読後は悩みを抱えた人に話を聞き、優しくしていただけるとうれしい」と訴えた。

 

 岩田さんは決勝大会に向け「県大会に出場したみなさんの思いを背負うつもりで、大好きな本を精いっぱい紹介したい。全国一を目指す」と意気込んだ。

(2024年12月19日 19:50)
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