全国高校ビブリオバトル代表、佐賀で決定
決勝で本の魅力を語る藤原さん
ゲーム感覚でおすすめの本を紹介し合う書評合戦「全国高校ビブリオバトル」の佐賀県大会が12月14日、県庁旧館で開かれた。6校10人が参加し、ひきたよしあきさん著「5日間で言葉が『思いつかない』『まとまらない』『伝わらない』がなくなる本」を紹介した、県立唐津東高2年の藤原暖音(はると)さん(17)が栄冠に輝いた。藤原さんは佐賀県代表として決勝大会に出場する。(森陸)
藤原暖音さん、「5日間で言葉が『思いつかない』『まとまらない』『伝わらない』がなくなる本」を紹介
「私たちの普段の会話には一つだけ共通点がある。単語の数が少ないんですよ」。予選を勝ち抜いた4人の中で唯一、実用書を選んだ藤原さんはそう語り始め、言葉を続けた。「この本を紹介する時、『この本やばいんだよね』で会話って成立する。でも(内容や良さが)伝わらない。こんな会話があふれている現状を解決してくれるのが、この本なんです」
制限時間5分の中で、本の具体的な記述に触れたのはわずか十数秒。それでも藤原さんの本が「どの本が一番読みたくなったか」を基準にした投票で最多票を集めたのは、軽妙な語り口で笑いを誘いつつ、「しゃべるのが下手だった僕が、ここまで勝ち上がってきた。僕自身の存在がこの本の有用性を示している」と話す姿に説得力があったからだ。
同校では1、2年生全員参加の予選会があったといい、県大会に出場したのは上位2人。藤原さんは「決勝大会で良い成績を残したい気持ちはあるけど、それよりも多くの人にこの本を知ってもらい、自分と同じく会話力に不安のある人の悩みを解決できる機会になれば」と話していた。
決勝大会は来年1月26日、よみうり大手町ホール(東京都千代田区)で開催される。