ビブリオバトル和歌山大会...中学は久保田大翔さん、高校は榎本幸喜さんV

チャンプ本を手に笑顔を見せる久保田さん(左)と榎本さん

 中高生が好きな本の魅力をアピールし、聴衆が読みたくなった本に投票して順位を決める「第11回中高生読書まつり・ビブリオバトル和歌山県大会」(和歌山県教育委員会主催)が12月21日、和歌山市の県立図書館で開かれた。中学生の部では広川町立耐久中3年久保田大翔さん(15)、高校生の部では私立近畿大学付属新宮高1年の榎本幸喜さん(16)がそれぞれ優勝した。2人は和歌山県代表として、全国大会に出場する。

 

中学は「コンビニ人間」がチャンプ本

 和歌山県大会には、地域大会を勝ち上がった中学生19人と高校生14人が出場した。1人5分間でおすすめの本を紹介し、「オーディエンス」と呼ばれる聴衆からの質問に応答。聴衆が「読みたい」と思った最多得票の本が「チャンプ本」に決まった。

 

 久保田さんは、世間の「普通」になじまないコンビニ店員の女性を描いた芥川賞受賞作「コンビニ人間」(村田沙耶香著、文藝春秋)を選択。「必要以上に誰かへ『普通』を押しつけない大切さ」を主張し、「『普通』とは一体何者なのか、この本を通じて確かめて」と伝えた。全国大会への切符を手にした久保田さんは「自信につながる大会だった。全国大会でも、読みたいと思わせられる発表をしたい」と意気込んだ。

 

高校は「ゴリラ裁判の日」がチャンプ本

 榎本さんは、法廷ミステリー小説「ゴリラ裁判の日」(須藤古都離著、講談社)を紹介。人間に劣らぬ知能を持つ雌ゴリラが、夫の雄ゴリラを銃殺した動物園を相手に裁判を起こす物語だ。「本当に、動物は下で人間は上なのか。そもそも命の優劣とは何か」と問いかけ、優勝を射止めた。榎本さんは「(聴衆の中に)うなずいている人も見え、伝えたいことを伝えられたと感じる。県大会4回目の挑戦で、初めて優勝できてうれしい」と喜んだ。

 

 中学生の全国大会は、来年3月22日によみうり大手町ホール(東京都千代田区)で、高校生は、同2月8日にTAKANAWA GATEWAY CITY(東京都港区、JR東日本特別協力)で開催される。

(2025年12月24日 12:00)
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