石中正美さんが全国高校ビブリオバトルへ...読売中高生新聞大会、オンラインで開催

 高校生が読んでほしい「推し本」の魅力を伝える「全国高校ビブリオバトル読売中高生新聞大会」が昨年12月20日に開催されました。全国から35人がオンラインで参加し、大阪・関西創価高校2年、石中正美さん(17)が優勝しました。準優勝の名古屋市立名東高校3年、梶野蒼天(そら)さん(18)の発表内容と合わせて紹介します。

《優勝》石中正美さん(大阪・関西創価高校2年)

 世界を見る目 変えてくれた

「自分のあたりまえを切り崩す文化人類学入門」箕曲在弘著/大和書房

 普段、当然のように感じていることや、知らず知らずに取っていた行動。その背後にあるものに気付かせてくれた「文化人類学」の入門書を紹介した。

 「皆さん、お風呂につかった時、髪の毛が浮いていて汚いなって思ったことはないですか」。5分のスピーチでは、身近な例を挙げて参加者に問いを投げかけた。髪の毛が頭から生えている時は汚いと感じないのに、抜けると不快に感じるのはなぜなのか。

 この本ではその理由として、身体の一部なのか、そうではないのかわからない「場違いなもの」となった時に、人は汚いと感じるとの考え方を紹介している。スピーチでは髪の毛だけではなく、唾液も同様だと伝えた。

 ほかにも日頃、「あたりまえ」と感じることは、国や人によって変わりうることを紹介。本から学んだエッセンスを基に、食べ物や人に意思を伝えるサインなどが該当するとし、「この本を閉じた後、世界を見る目はきっと以前とは少し異なっているはずです」と締めくくった。

 

「心から楽しんで挑む」

 ビブリオバトルの学校の大会や地方大会では、思うような結果が出ず、悔しい思いをしてきた。本を楽しく紹介する気持ちを忘れてしまっていたことに気づいた。

 「心から楽しむ」と決めて臨んだ今大会。優勝者に選ばれると、「多くの人にこの本のメッセージを発信できた」とうれし涙がこぼれた。2月に行われる全国大会でも「結果にとらわれず、この本の魅力や自分が感じたことを伝えたい」と笑顔で語った。

《準優勝》梶野蒼天さん(名古屋市立名東高校3年)

 初めての読書 隣で楽しむ感覚

「本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む」かまど、みくのしん著/大和書房

 「本を今まで一度も読んだことがないという人に勧めたら、どんな反応をしてくれるのか気になりませんか」。大会の参加者らに問いかけるところからスピーチを始めた。

 本作について、「新感覚、読書エッセー」と紹介。その評の通り、著者のみくのしんが32歳で初めて読んだ小説は、本来の一続きではなく数文ずつに区切って書かれている。様々な反応を見せるみくのしんと、友人のかまどがお笑いのツッコミのようにサポートする描写も斬新だ。

 小説の展開に泣いたり、怒ったりするみくのしんを撮影した写真もちりばめられており、「初めての読書をすぐ隣で一緒に楽しんでいるような感覚になる」と強調した。

 

ありのままの言葉 意識

 今大会に臨むまでに、校内予選や県予選で得た気付きを基に、スピーチの台本を見直した。繰り返し読んで暗記し、「読みづらい部分を排除したり、ポイントごとにまとめたりして、飾らずに自分のありのままの言葉で伝えられるように意識した」と話す。

 大会終了後、「発表では笑顔で話すことや声のトーンに気を配った。この本を読んだ時に感じた楽しいという気持ちを表現できた」と語った。優勝に一歩届かず悔しい思いもあるが、「全国の人たちに作品や読書のおもしろさを発信できたと思う」と胸を張った。

推し本 5分で紹介

 読売中高生新聞大会は2023年度に始まり、今回で3度目の開催となる。応募者多数のため、抽選で参加者を絞り込んだ。

 出場者はまず5、6人ずつの6グループに分かれて予選に臨んだ。自分が選ん1冊の魅力を5分以内で紹介した後、ほかの出場者の質問に2分で回答。出場者らが最も読みたいと思った1冊に投票し、順位を決めた。各グループで1位となった6人が決勝に進み、同様のルールで競った。

 優勝した石中さんは中高生新聞代表として2月8日に東京都内で開催される「第12回全国高校ビブリオバトル」に出場する。全国各地の予選を勝ち抜いた猛者たちとしのぎを削る。

 全国大会の動画ライブ配信はこちらから

(2026年1月13日 17:20)
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