全国高校ビブリオバトル代表、徳島と奈良で決定

徳島...中学は武市渉さん、チャンプ本は「塞王の楯」

徳島県「中学生の部」で優勝した武市さん

 好きな本の魅力をアピールして書評の技術を競う「徳島県中学生・高校生『書評合戦』」(県教育委員会など主催、読売新聞社など後援)が19日、徳島県板野町の県立総合教育センターで開かれた。4人が出場した中学生の部では、徳島市国府中2年武市渉さん(14)が、8人が争った高校生の部では、県立阿波高2年佐藤愛花さん(17)が優勝した。2人は来年開催される全国大会に出場する。

 

 出場者は5分間で「推しの1冊」を紹介。質疑応答を経て、全員が一番読みたいと思った本に投票する。

 

 武市さんは、今村翔吾さんの戦国小説「塞王(さいおう)の楯(たて)」を取り上げた。「最強の楯」の石垣と、「至高の矛」である鉄砲の両職人を描いた作品で、武市さんは「歴史には武将の活躍ばかりが残るが、職人たちも命がけで戦った。僕も自分にしかできないことを見つけようと思った」と訴えた。

 

高校は佐藤愛花さん、チャンプ本は「汝、星のごとく」

徳島県「高校生の部」を制した佐藤さん

 佐藤さんは、不倫や親子愛などがテーマの凪良(なぎら)ゆうさんの恋愛小説「汝(なんじ)、星のごとく」について紹介。「登場人物がもがきながら生きる姿に、自分はどう生きるべきか考えさせられる作品」とアピールし、支持を集めた。

 

 ビブリオバトルの中学生の全国大会は来年3月24日に龍谷大学瀬田キャンパス(滋賀県大津市)で、高校生の全国大会は1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で開催される。

 

奈良...赤崎海来さん、チャンプ本は「斜陽」

太宰治「斜陽」の魅力を語る赤崎さん

 高校生が好きな本を紹介し、聴衆が最も読みたいと思った本を決める「第10回全国高校ビブリオバトル奈良県大会」(県立図書情報館主催、活字文化推進会議共催)が19日、奈良市の県立図書情報館で開かれた。智弁学園奈良カレッジ2年の赤崎海来(みく)さん(17)が優勝し、来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で開かれる決勝大会の出場権を得た。

 

 今回は8校から10人が出場。発表者は1人5分間の持ち時間で本について熱弁を振るい、聴衆からの「この本を選んだ理由は」などの質問に答えた。全員が発表した後、会場の約50人が投票して順位を決めた。

 

 赤崎さんは太宰治の小説「斜陽」を紹介。「みなさんは人生を懸けた恋をしたことがありますか」と問いかけ、声の抑揚をつけながら、登場人物の恋愛模様や心情描写の緻密(ちみつ)さなどの魅力を説明した。

 

 赤崎さんは「緊張したが、声の大きさに注意した。決勝ではもっと滑舌よく話したい」と語った。
 

(2023年11月20日 17:25)
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