福本皓埜さん「軽いのりで入ろう」木原琉翔さん「まさかこんなことに」...全国高校ビブリオバトル優勝と準V
ゲスト作家の朝井リョウさん(左)と高瀬隼子さん(右)から祝福される福本さん
東京都豊島区の東京国際大学池袋キャンパスで2024年1月28日に開かれた「第10回全国高等学校ビブリオバトル決勝大会」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、東京国際大学特別協力)で、優勝した埼玉県立越ヶ谷高校1年の福本皓埜(ひろや)さんは「周りは強い人ばかりで、まさか優勝できるとは思わなかった。最後に名前を呼ばれて、すごく気持ちよかった」と喜びを語った。
「同姓同名」語って本の「3連覇」アシスト...福本さん
お気に入りの本を5分間で紹介し、聴衆が読みたくなった本に投票する書評合戦。福本さんは下村敦史さんの小説「同姓同名」(幻冬舎)を取り上げた。女児殺害犯と同姓同名のために不利益を被った人々が名誉回復を求めて行動すると、新たな事件が起きるというミステリーだ。福本さんは「前の人の発表を見ていて、軽いのりで入れば、うまく聴衆の心に刺さるだろうと考えた。それがよかったかな」と振り返った。
同姓同名は、2023年12月の「全国大学ビブリオバトル」と23年3月の「全国中学ビブリオバトル」でも優勝者が紹介する「グランドチャンプ本」に輝いており、年代別の全国大会を「3連覇」した格好だ。
自由律俳句集「カキフライが無いなら来なかった」軽妙に紹介...木原さん
準優勝した京都市立日吉ケ丘高校2年の木原琉翔(りゅうと)さん(16)は「こんなことになるとは思わなくて。(紹介した本が)気に入っていただけたのは、ありがたいです」と喜びを語った。
ゲスト作家の朝井リョウさん(右)と高瀬隼子さん(左)から祝福される木原さん
木原さんは、8人が進んだ決勝のトップバッターとして登壇。自由律俳句やエッセーなどをまとめた「カキフライが無いなら来なかった」(せきしろ・又吉直樹著、幻冬舎文庫)を取り上げた。軽妙な語り口で会場を盛り上げ、「この本に出会って、捉え方の違いで日常が面白くなると思った。人生をつまらないと思っている人に読んでもらい、人生は楽しい、日常は面白いと思ってくれることを願っています」と締めくくった。
10回目の節目となる今大会は、47都道府県の地方大会と読売中高生新聞大会を勝ち抜いた49人が出場し、8組に分かれた予選の最多得票者たちが最後のバトルに進出した。幕間にはゲスト作家のトークセッションもあり、朝井リョウさんと高瀬隼子さんが作家生活の裏話を語り、約500人の聴衆を楽しませた。