全国中学ビブリオバトル代表、埼玉・長崎・山梨で決定...12月10日
埼玉...熊谷陽仁さん、チャンプ本は「空白小説」
埼玉県内の中学生が本の魅力を紹介し、聴衆が読みたくなった本に投票する「中学生のビブリオバトル」(県教育委員会、県図書館協会主催)の決勝が10日、桶川市のさいたま文学館で開かれた。11月の予選を通過した5人が出場し、小説「空白小説」(氏田雄介・小狐裕介・水谷健吾著、ワニブックス)を紹介したさいたま市立馬宮中学校2年の熊谷陽仁さん(14)が優勝した。
書籍を手に魅力を語る熊谷さん(10日、桶川市で)
「空白小説」は、書き出しと結びの文が決められている七つのテーマで、3人の作家が物語を創作するショートショート集。熊谷さんは、同じ書き出しと結びの話でも、中身によってハッピーエンドにもバッドエンドにもなる点を紹介し、「展開を予想しながら読むのが面白い」と熱弁を振るった。
優勝が決まり、「みんなを楽しませられるように抑揚や身ぶりをつけた。面白さが伝わり、選んでもらえてうれしい」と喜んでいた。
熊谷さんは来年3月24日、龍谷大学瀬田キャンパス(大津市)で行われる全国中学ビブリオバトル決勝大会に出場する。
長崎...入口蒼大さん、チャンプ本は「世界でいちばん透きとおった物語」
「第3回長崎県中学生ビブリオバトル大会」(県教育委員会主催、活字文化推進会議、読売新聞社など後援)が10日、大村市の「ミライon図書館」で行われ、時津町立時津中2年の入口蒼大さん(14)が最優秀賞に選ばれた。入口さんは、県代表として決勝大会に出場する。
本の魅力を身ぶり手ぶりを交えながら紹介する入口さん
大会には、県内各市町で行われた予選会などを通過した12人が出場。決勝には、この日の予選を勝ち抜いた4人が臨み、1人5分の持ち時間でお薦めの本を紹介した後、質疑応答を経て、来場者が最も読みたくなった本に票を投じた。
入口さんは、杉井光さんの小説「世界でいちばん透きとおった物語」を紹介。大御所ミステリー作家の婚外子の主人公が父親の遺稿を探す物語で、「一種の芸術作品のような本。紙の本でしか読めない仕掛けがあり、最後は感動で動けなくなる」と、明るい声と大きな身ぶりで魅力を伝えた。入口さんは「決勝大会でも個性を出し、悔いのない発表をしたい」と意気込んだ。
優秀賞は、大村市立大村中3年の池田巧さん(15)が受賞。敢闘賞は、西海市立大崎中2年の内野美輝さん(14)と、県立長崎東中2年の秀島鳴さん(13)の2人が選ばれた。
決勝大会(特別協力・龍谷大学)は、来年3月24日に龍谷大学瀬田キャンパス(滋賀県)で開かれる。
山梨...加藤大悟さん、チャンプ本は「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
高校生の部で優勝した宮崎さん(右)と中学生の部を制した加藤さん
中高生がお薦めの本をアピールし、聴衆がその中から読みたくなった本を投票で選ぶ「ビブリオバトルやまなし2023」(山梨県教育委員会主催、読売新聞社など後援)が、甲府市北口の県立図書館で開かれた。
参加者は5分間で推し本の魅力を熱弁。聴衆の投票の結果、高校生の部で北杜市立甲陵高2年の宮崎奏音(かのん)さん(17)が、中学生の部は市川三郷町立六郷中2年の加藤大悟さん(14)が優勝し全国大会出場を決めた。
宮崎さんは、100通りの愛の表現を紹介した「I Love Youの訳し方」(望月竜馬著)を取り上げ、「『愛』という言葉を使わなくても愛情が伝わる表現ばかり。自分の好きなI Love Youが見つかる」と熱弁した。
加藤さんは、主人公と神話の登場人物たちが繰り広げる冒険物語「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(リック・リオーダン著)を紹介。優勝が決まると、「ミステリーとファンタジーが融合した作品の面白さを分かりやすく伝えたい」と、全国大会への意気込みを語った。
高校生の全国大会は来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で、中学生は3月24日に龍谷大学瀬田キャンパス(滋賀県大津市)で開催される。