全国中学ビブリオバトル代表、山梨で決定...高校も
中学生の部で優勝した宮崎さん
お薦め本の魅力をアピールする「ビブリオバトルやまなし」(山梨県教育委員会主催、読売新聞社など後援)が12月8日、甲府市の山梨県立図書館で開かれた。高校生の部で北杜市立甲陵高1年の鮎沢美桜さん(15)が、中学生の部で北杜市立甲陵中3年の宮崎大河さん(15)が、一般の部で山梨市三ヶ所の教員広瀬さやかさん(42)が優勝した。鮎沢さんと宮崎さんは全国大会へ進んだ。
高校生の部に10人、中学生の部に5人、一般の部に7人が出場。出場者は5分間で推しの本の魅力を紹介し、質疑応答を経て、聴衆がその中から最も読みたいと思った本に投票した。
高校、鮎沢美桜さん「麦本三歩の好きなもの第一集」を紹介
高校生の部を制した鮎沢さんは、図書館に勤める20代女性・麦本三歩の幸せな日々を描いた「麦本三歩の好きなもの第一集」(幻冬舎)を紹介。「おっちょこちょいでボーッとしているけれど、軸が通ったすてきな人」と三歩を紹介し、「三歩のグッとくる言葉に胸をつかまれること間違いなしです」と訴えた。
中学、宮崎大河さん「ヘンな科学」を語る
中学生の部で頂点に立った宮崎さんは「イグノーベル賞」の受賞研究を紹介した「ヘンな科学」(総合法令出版)を推薦。「ここに出てくる研究は一見くだらないと思うものだが、後からじわじわと気になる不思議な魅力がある。あなたもヘンな科学好きになってみませんか」とアピールした。
全国高校ビブリオバトル決勝大会は来年1月26日、よみうり大手町ホール(東京都千代田区)で、全国中学ビブリオバトル決勝大会は3月9日に立命館大学衣笠キャンパス(京都市北区)で開催される。
一般の部の広瀬さんが取り上げたのは、雪と氷に閉ざされた惑星が舞台のSF小説「闇の左手」(早川書房)。「飲んでる飲み物の表面が凍るのでその氷を割る器具がどのご家庭にもある」という作中の描写を紹介し、「冬にぜひ読んでほしい一冊」と話した。また「複雑で重層な物語。読む度に印象が変わる」とも語った。広瀬さんは来年2月のオンライン予選を勝ち抜くと、生駒市図書館(奈良県生駒市)で3月9日に開催されるビブリオバトル全国大会の出場権を得られる。