「読売ワークシート通信」のメールマガジンから、記者コラムの一部を紹介します。
学校っていいよねぇ
2020年6月17日
小学6年の娘と中学2年の息子の学校が再開し、子どもにとって「学校」がいかに大きな存在かを再認識しました。
娘は、自宅に届いたクラス分けの名簿を眺めては「友だちがいない」「知らない先生が担任だ」と嘆き、「もうこのまま学校なんて始まらなくていいのに」とふてくされていました。
ところが、登校初日を終えると「やっぱ学校っていいよねぇ」と上機嫌で学校での出来事をしゃべり続けます。たった数時間ですっかり担任の先生になついてしまったようで、いくら言っても手をつけなかった宿題をいそいそと片付け、家事の手伝いまで。注意し続けた日々は何だったのでしょう。
息子は12日が登校初日。「こんなに宿題が出るなら、学校行った方がマシなんだよ!」と、それはわかりにくいセリフでうれしさを表して出かけました。
ゴールデンウィーク明けからオンライン授業が始まってはいたものの、連日布団の中でパソコンを開き、授業用のプリントを印刷し忘れたり、スマホをいじくったり。何もかもが面倒くさくてしょうがないといった態度だったのに、帰宅するとすぐに翌日の準備をします。聞けば、校門前に先生方が並んで出迎えて下さったそうで、急にやる気を取り戻したようです。
新型コロナウイルスの影響で私たちも、電話やメールでの取材が増えました。確かに代替手段でもなんとかなります。でも、たとえ短時間でも実際に会った方がずっと話が早く、信頼感が生まれます。それはきっと、子どもたちも同じなのだろうなと思いました。
今回は、休校中に学年が変わり、多くの子どもと担任の先生とは初対面だったはず。それでもあっという間に、子どもたちの心をつかんだ先生方。プロの教師の力に恐れ入りました。きっと各地で工夫を凝らした「初日」があったのでしょう。先生方のその力を、親としても記者としても、少しでも学ぶことができたらいいなと思っています。(悠)
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