「読売ワークシート通信」のメールマガジンから、記者コラムの一部を紹介します。
就活の「原体験」
2020年9月9日
娘が新聞会社に入りました。
大学生ではなく、小学3年生です。話を聞いてみると、クラス内のクラブ活動のようなもの。体育の時間に前の列で体操を披露する「体育会社」、クラスメートの前でピアノを弾く「音楽会社」など、好きな「会社」を選んで入るのだとか。「新聞会社」のメンバーは4人。月に1回、クラス内の出来事や話題などを手作りの新聞にして掲示するのが主な活動です。メモ帳を手に、「今月は〇〇ちゃんが誕生日だからインタビューしなきゃ」と、「取材」に励んでいます。
「会社に入る」といえば、この夏、就職活動がスタートした大学3年生とお話しする機会が増えました。夏・秋のインターンシップ(就業体験)の選考に向けて書いている「エントリーシート」を見せてもらうと、様々な「志望動機」が書かれています。企業の活動や理念への共感ももちろんですが、「小さいころから製品を愛用していた」など、「熱心なファンであること」をアピールする内容も定番です。社会に出ればたくさんの壁があります。一概には言えませんが、「企業と出会った原体験」のようなものは、その壁を乗り越えていく上で、大きな支えになることでしょう。
では、自分が新聞記者を目指す「原体験」は何だったのだろうか。いくら考えても思い出せません。ヒントを求めて「何で新聞会社にしたの?」と娘に聞いてみました。「体操もピアノも恥ずかしいから嫌。新聞記者ならお父さんでもできてるんだから、私でも大丈夫でしょ?」。9歳の娘の「職業選択」は、まだまだ先の話ですが、後悔しない選択になりますように、と願っています。(石)
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