海外で学ぶ・リレーエッセー[67]ライデン・ユニバーシティー・カレッジ 自分を成長させる場所

友達と寮で作ったお寿司を囲んで(右)

成田高(千葉県)を経て、Torrey Pines High School(カリフォルニア州サンディエゴ)卒、(オランダ)ライデン・ユニバーシティー・カレッジ2年(20年6月時点)

滝本 明里 さん

Takimoto Akari

 私は2010年に設立されたオランダにあるリベラルアーツ・カレッジに通っている。ライデン大学という400年以上の歴史のある総合大学に付属していて、全校生徒はたったの600人の少人数の大学である。もともとアメリカのリベラルアーツ教育に惹(ひ)かれ、アメリカの大学への進学を志していたが、経済的に難しく途方にくれていたところ、たまたまオランダのリベラルアーツ・カレッジをみつけた。応募締め切りギリギリに書類を提出し、今に至る。考えればランダムで突拍子もない決断ではあったが、この大学に来て本当に良かったと思っている。それほどこの大学は私にとって大切な場所である。

 

 「大学で何を学んでいるの?」と聞かれると、私は「学ぶ」ということはしていないと答える。というのも、私はこの大学での時間を、受動的に何かを「学ぶ」というよりも、「考える・当たり前を疑う」能力と視点を身につけるためのトレーニングと捉えているからだ。専攻はHuman Diversity(ヒューマン・ダイバーシティ=人の多様性)である。環境、経済、政治、歴史、教育、社会、文化などを人が作り上げているものと考え、それらを動かしている固定概念や仮説、当たり前などを疑問視し、分析している。このプログラムを教えている教授がよくいう言葉は「エッセーは問いで終わらせる」ということ。実際に、授業の履修後は履修前よりもさらに疑問や考えることが沢山(たくさん)生まれる。このような自分の気付きを大切にする型にはまらない授業が私は楽しくて仕方がない。

 

 さらに、この大学は全校生徒の50%以上が留学生であり、世界各地から様々なバックグラウンドを持った人が集まっている。自分とは異なる社会や文化、価値観の中で生活をしてきた人たちとの議論では、自分が見えていなかった側面や視点を知ることができる。世界各地から集まる多様な私達の間には「異なることが自分たちの共通点だ」というような共通認識があるように感じる。日本人やアジア人、女性というラベルを通してではなく、自分がありたいようにいられる場所をこの大学は与えてくれる。

 

 そんなコミュニティで自分にとって意味のあるトレーニングができていることが何よりも幸せである。私の大学は、自分の居場所でもあり、自分を常に更新していける場でもある。

 

オランダのハーグのビーチで学友と(右から3人目)=いずれも本人提供

ライデン・ユニバーシティー・カレッジ

1575年創立で、オランダ最古の大学ライデン大学のリベラルアーツ・カレッジとして中央官庁、王宮のあるハーグ所在のキャンパスに2010年設置された。ライデン大学は1855年、世界で最初に日本学科が設置されている。

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海外留学を目指す高校生に進学支援を行っているNPO法人「留学フェローシップ」のメンバーが、海外のキャンパスライフをリレー連載します。留学フェローシップの詳細は>>ウェブサイトへ。

(2020年8月25日 09:30)
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