『プチ哲学』[徒然読書]身近な?の大切さ

読売新聞教育ネットワークの田中孝宏アドバイザーが、教員の皆さんにお薦めする本を、中央公論新社のラインナップから紹介します!

プチ哲学

佐藤 雅彦 著

ちょっとだけ深く考えてみる―それがプチ哲学。書き下ろし「プチ哲学的日々」を加えた決定版。考えることは楽しいと思える、題名も形も小さな小さな一冊

●初版刊行日:2004/3/23 ●文庫判/168ページ ●定価:713円(10%税込)

 

身近な?の大切さ

 

 「OLIVE」は並べ替えると「I LOVE」

 身の回りのことをちょっとだけ考えてみると、今まで気づかなかったことが見えてくる。

 

 「なぜ、いただきますって言うの?」子どもたちは、突然核心をつく疑問を投げかけてきます。とっさにはなかなか答えられません。ある外国籍の子どもから「歌舞伎って何ですか?」と片言の日本語で聞かれた時、一言で答えられなかった自分の力のなさに落ち込んだ思い出があります。

 

 「一見刺激のあるたくさんの情報に慣らされ、本質的な出来事に気づかなくなっている」

 著者の洞察に頭が下がります。

 

 子どもたちのように身近な様々なことに疑問を持ち考えることの大切さを楽しいイラストとともに教えてくれる本です。忙しい毎日の終わりにパラパラとめくり、読んでみてはいかがでしょう。

 

 「いろいろ思ったり、考てみたりするのは面白い」と、学ぶことの原点を思い起こすことができます。そのうえ、授業の参考にできそうなイラストもあるので、明日のネタにもなりそうです。

 

元小学校長。乱読ならぬ雑読。最近は地域の図書館のホームページで検索するとメールで知らせてくれるので、それに頼りきった主体性のない本選び。「ブックぶらタナカ」を楽しんでます。

前へ<< >>次へ

(2022年2月 7日 08:49)
TOP