『植物はすごい 七不思議篇』[徒然読書]素朴な疑問に答えてくれる

読売新聞教育ネットワークの田中孝宏アドバイザーが、教員の皆さんにお薦めする本を、中央公論新社のラインナップから紹介します!

植物はすごい 七不思議篇 知ってびっくり、緑の秘密

田中 修 著

アサガオの花はなぜ夕方になると赤紫になるの? どうしてゴーヤの実は熟すと爆発するの? トマトのタネはなぜぬるぬるに包まれているの? トウモロコシの黄色い粒と白い粒の比率が3対1って本当? イチゴの種はどこにあるの? チューリップの花はなぜだんだん大きくなるの? ソメイヨシノはなぜ暖かい九州よりも寒い東京で先に咲くの? 7つの身近な植物に秘められた「すごさ」から学ぶ、生き方の工夫と知恵。

●初版刊行日:2015/7/25 ●新書判/256ページ ●定価:902円(10%税込)●ISBN:978-4-12-102328-5

 

素朴な疑問に答えてくれる

 

 アサガオ、ゴーヤ、トマト、トウモロコシ、チューリップ。生活科や理科の栽培でおなじみの植物が並んでいます。この本は身近な7つの植物を取り上げ、その植物の不思議な生態の理由を教えてくれます。

 

 「植物たちの暮らしの営みに"ふしぎ"を感じると、次々と多くの"ふしぎ"が浮かび上がってきます」。作者の好奇心から発する問いは、子どもたちの質問につながります。

 

 「せんせい、アサガオのツルは、どのようにして、巻きつくひもや棒を見つけるのですか?」「それはね、アサガオのツルは触ると触れた面が太くなり反対面が伸びるからだよ」

 

 子どもの素朴な疑問に、自信を持って答えられるうんちくが詰まった本です。ちなみに、アサガオのツルは巻きつく方向や時間も決まっているそうです。気になる方には一読をお勧めします。

 

 この本は新書版ですが、田中修氏が監修した『すごい植物最強図鑑』も最近発刊されました。こちらは、イラストが入りわかりやすい上、植物の数も多くお得です。

 

 授業前に少しのうんちくを身につけておくと、子どもたちから「せんせい、すごい!」の一言が飛び出しそうな予感がします。

『すごい植物最強図鑑』

●角愼作/上田惣子絵 ●初版刊行日:2021/7/20 ●四六判/160ページ ●定価:1100円(10%税込)●ISBN:978-4-12-005451-8


「植物はどんなかたちでも生き残るしくみに溢れている」さまざまなパワーを持つ植物ワールドを、いっしょに探検しよう!環境に合わせてそれぞれ独自の進化をとげて、我々の身のまわりに存在する植物たち。身近な植物にも、不思議がいっぱい。意外にも毒をもつアジサイやユーカリ、かさぶたをつくって身を守るバナナやリンゴ、決まった時間で回転しながらツルを伸ばすアサガオ、長い年月をかけて巨木を枯らすシメコロシノキなど、人間や動物たちには真似できない植物のもつさまざまなパワーを、イラストとマンガでやさしく楽しく、解説します。【教養が身につく中公新書から生まれた児童書です】

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(2021年8月 4日 16:14)
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