「やさしい心」をはぐくむためには
いまの子どもたちにとって重要な「チカラ」はなんでしょうか。全国で講演活動をしていると、そういう疑問によく接します。そう問われれば、即座にこう答えています。それは、「思考力」「判断力」「表現力」、ずばりこの3つです、と!
単に学校のテストで「いい点数」を取るだけでは不十分なんです。そのためにはどうすればいいのか。それは、家族との会話、あるいは読書で得られた知識、そして毎日届く新聞に載っている記事をみて、今の世の中で何が起きているかを把握する...。こうしたことが大事になってきています。これら3つのチカラを高めるためには、親子、家族間の対話を通じて、子どもたちのふとした考えを、しっかりとした「意見」にまとめる手助けをしてあげてください。
家庭でこうした習慣付けができている子どもは、間違いなく学力がアップします。私はこうしたアイデアを全国で続けてきた講演を通じて、ずっと呼びかけてきました。でも、それだけでは不十分なんです。ご家庭ではぜひ、子どもたちの「心」を育てることも忘れないでください。
「心」をはぐくむのは、やはり新聞です。たとえば新聞の活用法で言えば、こんな方法も有効ですよ。その日の朝刊を手にしてください。広げてみて、紙面を見渡して、うれしいニュース、悲しいニュースを選び、なぜうれしいのか、なぜ悲しいのか、親子で話し合ってみてください。あるいは、親御さんが気になったニュースを紹介して、子どもにこう聞いてみるのもいいですね。「これはうれしい、悲しい、どっちのニュースだろう」。
こうした対話から、子どもたちの感受性も高まります。そこれが「やさしい心」をはぐくむことにつながります。新聞はまさに、こうしたニュースの宝庫ですよね。だから、新聞は時代にマッチした、生きた教材なんです。
心をはぐくむ新聞、ご家庭にぜひ!
新聞には、親子の対話に役立つきっかけやヒントがたくさんあります!
酒井勇介:教育支援会社「エデュピーチ」社長。早大卒業後、学研を経て、現在は家庭教育プロデューサー。学校、家庭で新聞の活用を訴える「新聞大使(アンバサダー)」を自任し、全国で講演活動を続けている。春の象徴である桜より一足早く咲く桃の花のように、多くの子どもたちの才能をいち早く開花させたいという思いから、主宰する会社の名前にも「ピーチ」をあしらっている。
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