【SDGs@スクール】「男女の役割」問い直す
日本における男女平等や、ジェンダーに基づく差別の実態は──。ガールスカウト日本連盟は2019年3月、女子高生524人にアンケート調査を行った。この調査に参加した高校生約10人が、隠れた性差別の実態に気づき、現状を伝える啓発活動に乗り出した。
ジェンダーとは、「男性らしさ」「女性らしさ」のように社会的に作られた性差。SDGsは目標5に「ジェンダー平等の実現」を掲げる。ガールスカウトは、少女たちが力を発揮できる社会を作ろうと世界中で教育活動などに取り組み、この調査もその一貫。結果は、女子高生の6割が日常生活やメディアを通して女性差別や暴力を経験していたことを示した。
調査に参加した鈴木榛香さん、古泉歩美さんは「無意識のうちに自分にも性差の刷り込みがあった」と驚いた。2019年6月には、国会議員向けの報告会でこうした結果を発表。その後も、研究者が集まるフォーラムや全校集会などの機会をとらえ、日常に潜む性差別の状況を訴え、「変えていこう」と呼び掛けた。
■取材記者の「眼」
デートDVや痴漢の被害を受け、男女が平等に扱われていないと感じながら、「おかしい」と意識しない少女たち。その様子が調査の端緒になったと聞いた。この状況は、私たち大人世代が作ったもの。SDGsを、若者と一緒に社会を変える契機にしたい。(智)
(2020年6月16日 09:00)