新聞記事に設問と解答記入欄を付けた教材「読売ワークシート通信」を、仙台市立七北田(ななきた)小学校(森屋勝治校長)が全校的な取り組みとして活用している。児童が校内の「NIEポスト」に投函(とうかん)した解答を、森屋校長が自ら採点して担任から返却する仕組み。自主的に参加する児童は毎日10~20人に上り、NIE(新聞活用学習)で効果を上げている。
ワークシート通信は、小中高校での新聞活用の入り口にしてもらおうと、読売新聞が2009年、教員らを対象に始めた。週1回、難易度や教科の異なる5枚のシートを、現在、全国で約8000人にメールなどで配信している。同小では今藤正彦教諭が活用してきた。同小は昨年9月、児童が通る多目的スペースにあるNIEコーナーにワークシート通信を貼り、持ち帰れるようにコピーを置いた。
宿題とはせず、児童が自ら参加するようにしたため、校長室前のNIEポストに初日は2通しか投函されなかった。しかし、楽しそうに取り組む児童に触発され、2~4年生を中心に徐々に広まったという。同小2年の女子児童は「難しいところは親に聞きます」「自分で考える問題が面白い」などと話していた。
NIEコーナーには、同小の卒業生で、ソチ五輪フィギュアスケート金メダリストの羽生結弦選手が登場する記事も貼ってある。森屋校長は「記事には生の出来事が登場する。授業で育んだ力を使って、それを読み解こうとする児童が増えてくれれば」と話している。(2016年1月8日読売新聞朝刊掲載)