東北大会は県立弘前高校1年岡部さんが優勝

 「全国高校ビブリオバトル2017」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管)の東北大会が8月20日、仙台市青葉区の東北学院大土樋キャンパスで開かれ,「罪の声」(塩田武士著、講談社)を紹介した青森県立弘前高校1年の岡部佑紀さん(15)が優勝した。岡部さんは来年1月28日に早稲田大(東京)で開かれる決勝大会に出場する。
 優勝した岡部さんが取り上げた「罪の声」は、未解決のまま時効となったグリコ・森永事件をモデルに新聞記者が「真犯人」を追う話だ。「知らない題材だからこそ、興味が湧いた」という岡部さん。新聞記者だった著者は構想を温めること15年で執筆したことや、事件そのものだけでなく背景の人間模様も描かれていることを紹介した。
 岡部さんは「頭の中が感嘆符と疑問符でいっぱいで、ただただ驚いている」と優勝を喜んだ。来年1月の決勝大会に向け、「出場者はつわものぞろいだと思うが、一人でも多くの人に本の魅力を伝え、自分自身も楽しみたい」と意気込んだ。


 準優勝には、山形県立米沢興譲館高校2年の飯沼響一さん(16)が輝いた。取り上げたのは「英国一家、日本を食べる」(マイケル・ブース著、亜紀書房)。英国人ジャーナリストとその家族がB級グルメから伝統料理までのあらゆる日本食を堪能した体験記だ。食べることが趣味という著者がブラックジョークも交え、時には辛口に料理を批評する様子をユーモアいっぱいに紹介。単なる「食レポ」にとどまらず、異文化交流の側面があることも強調した。昨年の東北大会で優勝した飯沼さんは「緊張して早口になってしまった」と悔やんだ。


 東北大会には東北6県から16人が出場した。

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(2017年8月23日 11:15)
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