楽しくNIE[15]全校ぐるみで新聞タワー対決 宇都宮市立豊郷中央小(栃木県)

協力して「新聞タワー」を作りあげる子どもたち(6月20日、豊郷中央小で)

やあ、こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤク先生だよ。きょうは、違う学年の子たちが仲良くなれる新聞を使った実践「新聞タワー対決」を特別活動にとり入れた学校をのぞいてみたよ。学年の違う子たちが交流する「縦割り班活動」にうってつけの取り組みなんだって。


ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。

 


 新聞1部を児童十数人が囲んで作戦会議 

 今回訪れたのは、餃子で有名な街・宇都宮市の北西にある同市立豊郷中央小(鶴見行雄校長)。給食の後、各クラスを回ってみると、新聞1部を十数人の児童が囲んで、なにやら作戦会議中だ。約800人の全校児童が十数人ずつ48班に分かれ、どの班が新聞紙で一番高いタワーを作れるか競う「新聞タワー対決」の戦い中だったんだ。

作戦会議を開く子どもたち

 

 ニュースを見て大騒ぎの子も 

 班には1年から6年がそれぞれ2、3人ずつ。「下の土台は三角形にしようか」「ぼくはテープ係をやるよ」......どの班も大盛り上がりだ。ある班では、リーダー格の女の子が、「低学年の子は、新聞を1枚ずつ棒にしてね」って、小さな子たちに伝えていたよ。別の班では、目の前の新聞を広げて、「何だ?このニュース?」って、大騒ぎだ。

「なんだ?この記事」。作戦会議中、盛り上がる子どもたち

 

 役割分担で新聞紙を棒状に 

 5分間の作戦タイムが終わると、いよいよ本番。ニュース委員会の子たちが「スタート!」ってアナウンスで合図すると、各班の子どもたちはそれぞれ作戦に従って各教室で新聞紙を棒のように丸め始めたり、テープを切ったり。

丸めた新聞を作る子どもたち

 

 審査員の先生が定規で測る 

 「この新聞紙で棒作って!」「テープはいりませんか?」。大騒ぎの各教室で、棒状になった新聞紙がどんどん組み立てられていく。自分たちの背よりも高く積み上げたものの、途中でポキッと折れ、「あ~あ!」と叫び声が上がる班も。10分間の組み立てタイムは、あっという間で、終了とともに審査員役の先生たちが大きな定規を手にタワーに駆け寄り、長さを測りながら10秒間タワーが立ち続けるか見守った。

協力し合いながら新聞タワーを作る子どもたち

 

 チームワークが大事 

 優勝したのは42班の160センチ。2メートル近いタワーが1秒で崩れた班の女の子は、「こんどは新聞の棒をしっかり固めて作る。でも、もう1回作りたい!」とくやしそうに話していたけど、振り返りの時間に「チームワークが大事だって分かりました」「すごく楽しかった」と、キラキラした目で感想をいう子がほとんどだったよ。

組み立て終了後の振り返りの時間で、感想を述べる子どもたち

 

 すぐに違う学年の子と仲が深まる 

 外遊びの減った今の時代の子たちには、違う学年の子と触れ合うのに、この「縦割り班活動」が役立っていて、高学年の子は小さい子を思いやったり、低学年の子はお姉さんお兄さんに憧れを抱いたりするんだって。この学校では給食や掃除、田植えなんかで「縦割り班活動」が取り入れられているけど、今回、新聞タワー対決をとり入れてみて、「一気に違う学年の子同士の仲が深まっていた。新聞に触れながら、学年を超えて楽しめる」と、企画した堀内多恵先生も満足げだったよ。気になる記事を他の学年の子同士と紹介しあう新聞タイムも、これからこの活動でチャレンジするつもりなんだって。

第3位に輝いた7班のタワーは138センチ。「スカイツリーを参考に作った」と子どもたち

 

堀内多恵先生

異なる学年同士が仲を深めるための「縦割り班活動」に、NIEをとり入れました。最初は遠慮がちな子たちも、一気に打ち溶け合い、チームワークや交流が自然と生まれていました。学年を超えて楽しめる活動。紙の新聞に自然と親しんでもらいながら、子供たちのコミュニケーション力を高めています。

紙の新聞に自然と親しんでもらえる「新聞タワー対決」。今度やる時は、ヤク先生もさそってほしいなあ


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(2019年6月27日 16:45)
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