楽しくNIE[20]特別支援学級 自分の新聞作り 取手市立取手西小(茨城県)

新聞に使うのはどれがいいか、複数の写真を比べて選ぶ児童たち(2019年10月、取手西小で)

やあ、こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤクだよ。今回は、小学校の特別支援学級で、新聞づくりを通して、子どもたちがどんどん成長している様子を見てきたよ。


ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。

 


 

 新聞の見本 子どもたちに見せる 

 今回訪れたのは、茨城県南部に位置する取手市立取手西小。教室をのぞくと、特別支援学級「あおぞら学級」で、低学年と中学年の児童4人が机を並べていた。この学級は、今年度できたばかり。黒板に貼った新聞の見本を前に、担任の菊地真理子先生が、子どもたちに説明を始めたところだったよ。

これから始める新聞づくりの授業について児童に説明する菊地先生

 

 国語と関連づけ新聞つくる 

 「きょうは『あおぞら新聞』の続きをやります」と菊地先生。子どもたちが、じっと聞き入る。「あおぞら新聞」は、この学級の名前からとった新聞の名だ。新聞づくりの授業は、国語と関連づけた学習活動で、毎月、作っているんだって。この日は、クラスで夏に行った誕生会の様子を、1人1枚ずつ新聞にまとめようとしていたよ。

書くことができる文字を、自分で書き込んで文章を仕上げていく

 

 写真を自分で選ぶ 

 「見出しは、『たのしかった おたんじょうかい』って、書きましたよね。それから、リード。これは何が書いてあるか、っていうまとめ」。菊地先生が見本を指差しながら、新聞の作り方を丁寧におさらい。そして「きょうは、写真2枚を貼ってから、誕生会で楽しかったことを発表してもらおうと思います」と、4人に写真を数枚ずつ配り始めた。写真は先生が撮ったもの。子どもたちは真剣な表情で写真を選び、それぞれの新聞に貼り付けていく。

貼り付けを先生に手伝ってもらう子も

 

 文章例を見せながら書き込む子どもたち 

 写真を貼った後は、文章の作成だ。「さあ、お誕生会で何をやったかな?」。菊地先生が尋ねると、「おやつ」「クイズ」と、一人の子がすぐ答える。黒板に菊地先生が文章例を書き込んだ後、4人の子は、それぞれの新聞に文章をゆっくりとつづり始めた。

文章例を見本に書き込んでいく菊地先生

 

 中学年には追加で指示 

 今度は、1人ひとりに菊地先生が「何が楽しかったか」と確認し始めた。「ぼくはクイズが楽しかったです」と、中学年の児童の1人。「どうして楽しかったか、付け足しできるといいな」と、菊地先生は、見本を見せながら話しかけた。書き終わった後は、発表だ。

どうして楽しかったかが書かれた見本の新聞を見せながら話す菊地先生

 

 堂々と発表 親も喜ぶ

 ちょっと練習して、発表順を決める。出来上がったのは、どれもしっかりした新聞だ。はにかみながら発表する子もいるけど、みんな、堂々としている。いい笑顔だなあ。新聞には家族のコメント欄もあったよ。ほめられた子どもたちは、さらに自信をつけて、もっと勉強したいと燃えるんだって。授業を終えた菊地先生は「継続して新聞を作ることで、見出しを考えられるようになったり、理由が入った文章が書けるようになったりして、国語力が確実についてきている」って、自分のことみたいにうれしそう。秋につくるのは、展覧会に鑑賞に行った様子や、ハロウィンパーティーの様子をまとめた新聞。これからは子どもたちで写真を撮ったり、全員で1枚の新聞を作ったりする予定で、さらに挑戦していくんだって。

自分の書いた新聞をクラスメイトに見せながら前に出て堂々と発表する子

 

菊地真理子先生

 どの子も新聞作りに興味を持ち、自分たちの作品ができあがるたびに喜び、文字が書けるようになるなど学びを深めています。作った新聞は、学校での様子を家族に伝える材料にもなり、子どもと家庭、学校をつなげています。

 先生の質問を聞いて一生懸命考えたり、すごくいい笑顔で発表していたりと、素直で明るい子たちだったな! 国語力もあがって笑顔を増やす新聞作り、いいね!


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(2019年11月21日 16:00)
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