やあ、こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤクだよ。今回は学校図書館を、新聞や本、ICTなどを備えた学び・情報交流・発信の場として位置づけ、そのあるべき姿を学生たちに考えさせている大学の講義を見学したよ。
ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。
司書教諭を育てる講座
訪れたのは、山梨県にある都留文科大。学校図書館司書教諭の資格を取るための科目の一つ「学校図書館メディアの構成」が開かれていて、この日は最終日だった。13人の学生たちが、学んできたことの集大成として、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を実現するための学校図書館をデザインし、クラスメートの前で発表していたよ。
理想の学校図書館についての発表を聞いて、感想をまとめる学生たち |
通いたくなる図書館に
トップバッターの学生さんは、本が苦手な子供だったそうで、そういった子でも足を運びやすいよう、寝転がって本や新聞などが読めるスペースを提案していた。題して「アットホームな学校図書館」。フィンランドの例を挙げて、階段でも読書できるよう提案していたのは、男子学生さん。そのほか、いくつもの照明で雰囲気を和らげたり、預金通帳みたいな読書通帳を発行したりと、いろんな「通いたくなる仕かけ」が登場していたよ。
アットホームな学校図書館について発表する学生 |
ICT、新聞、自習室...
みんなに共通していたのは、ICTコーナーや自習室のほかに、比べ読みなどができる、新聞閲覧コーナーが設けられていたこと。講座を受け持つ植田恭子先生は「現実社会と向き合ってよりよい姿を考えていくには、当事者意識を持つ原動力になる新聞を、学校図書館メディアの一つとして位置付ける必要がある」と話していて、デジタルだけでなく新聞の配置、活用、図書館だよりをどこに配置するかについても触れるよう、条件をつけたんだって。
理想の学校図書館新聞像がまとめられた学生によるリポート |
号外展示コーナーで新聞に親しむ
ネットの書き込みなどフェイクニュースに学生さんたちが惑わされないよう、植田先生は、多様な視点を育てるツールとして、新聞をこの講義でたくさん取り上げてきたんだって。年度初めには、元号が「令和」に決まったことを伝える「号外」を使って、学校図書館内にどう展示コーナーを設けるかっていうことを学生さんに考えてもらっていて、学生さんは新聞というメディアについて深く考えるきっかけになったんだって。
学生たちと意見を交わす植田先生(左) |
学校図書館新聞づくりも
学校図書館の広報活動を理解するため、「図書館だより」も作ったよ。学校図書館メディアの一つである新聞には「情報を伝える技」がつまっているから、新聞形式にしたんだ。この日は、学生さんがパソコンで作った学校図書館新聞も置かれていた。昨秋、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが子供のころに読んだという本「ロウソクの科学」をタイムリーに紹介する新聞もあって、ついつい「ノーベル化学賞 吉野彰さんの原点!」とタイトルがついた記事を読みこんじゃったよ。全国の学校図書館の事例分析、本分類、新聞活用、ICT活用...。いろいろな情報が詰まった植田先生の学校図書館講義は、興味深かったよ。
学生たちがつくった学校図書館新聞 |
植田恭子先生
学校図書館は、情報の交流の場であり、発信の場でもあり、情報の宝庫という、学校のハブ(中心拠点)であるべき空間。辞書、本、新聞といった多様なメディアについて、時にはタブレットも使いながら学生と考えます。アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善などをうたった新学習指導要領の全面実施が迫る中、学校図書館の一層の機能の向上と充実が求められています。学生たちには、情報を活用し、自分と向き合い、他者と交流を重ね、よりよい答えを生み出そうとした学びのプロセスを、今後の学校図書館づくりに生かしてもらえたらと願っています。
新しい学習指導要領では、「探究学習」も重視されているから、これからますます学校図書館や、それを動かす司書さんたちなどの役割は重要になってくるね。先生の卵たち、楽しみながらガンバってー!
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