こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤクだよ。きょうは、健康をテーマにした新聞記事を読んで、その内容をカルタにして伝える委員会活動を取材してきたよ。健康になる方法も分かって、言葉の力もつく、楽しい取り組みだよ。
ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。
廊下の掲示板に健康新聞カルタ
今回訪れたのは、東京都の真ん中に位置する国分寺市立第五小(竹泉稔校長)。5、6年生が月に1回、委員会活動を行い、健康委員会の子どもたち約20人は、手洗いの歌を昼の放送で流したり、手洗い場の石鹸を入れ替えたりと、校内の健康分野で大活躍。2年前からは、新聞記事を読んでその内容をカルタにして廊下の掲示板に貼る「健康新聞カルタ」づくりに挑戦しているんだ。
新型コロナウイルスの記事を集めた「巨大コロナ新聞」を廊下に貼って、児童に注意点を呼びかけることも |
まず委員会で手順を説明
指導しているのは、養護教諭の増渕優花先生。増渕先生は、NIEを学ぶ先生たちの勉強会に毎年参加していて、この「健康新聞カルタ」づくりも、その勉強会でヒントをもらって思いついたんだって。健康委員会では健康委員に、(1)記事を選ぶ (2)記事を切り抜く (3)記事を台紙に貼る (4)発行日・新聞社名を書く (5)五・七・五で読み札を考える (6)先生に見てもらう、という手順を説明。
カルタの作り方や記事を貼った黒板 |
家で考えてくる子も
例として「がん免疫療法」に道を拓いてノーベル賞(2018年、生理学・医学賞)を受賞した本庶佑(ほんじょ・たすく)・京都大特別教授の記事と、増渕先生が作った「がん研究 本庶先生 ノーベル賞」っていうカルタを見せて、カルタづくりがスタート。子どもたちは早速、新聞を開きながら、気になる健康の記事を探して、カルタにまとめるための言葉を一生懸命考えたよ、中には熱中して、家で考えてくる子もいるそうだよ。
選んだ記事を読んで、一生懸命カルタを考える子 |
2年で40首
この春までに子供たちが作った札は、「はなづまり はなをほじるな 悪化する」「食道ガン たばこや飲酒 ほどほどに」など40首。カルタ札の元になった記事とともに保健室前の廊下に貼り出し、休み時間になると、大勢の子どもたちが興味深そうに札や記事を読んでいるんだって。昨年度行ったカルタ大会は、児童の1人が真剣な表情でカルタ札を読み上げると、元になった新聞記事を探して、大盛り上がりだったって。
健康に関する記事と、その内容を生かして作られたカルタ作品 |
図書室に健康の本コーナーもできた
今年度も健康委員は約20人。新型コロナウイルスの影響で、委員会は7月までに2回できただけ。先生も児童もコロナ対策に一生懸命でカルタづくりまでなかなか手が回らないけれど、「なんとか年度末までに、残りの10首を作成して、50音そろった五小健康カルタを完成させることができたらうれしい」と増渕先生。この健康新聞カルタやコロナコーナーが廊下にできたことで、今年度からは学校図書館に「健康の本コーナー」もできたそう。残るのは「い・さ・し・ち・ぬ・の・や・ゆ・ら・る」で始まる10首。「オノマトペを使う方法もいいかもしれませんね」と、増渕先生はいろいろ構想を巡らせていたよ。
手洗い場までの待機ライン代わりに、動物の足跡を当てるクイズが貼り付けられた廊下。答えは健康新聞カルタコーナー下に |
増渕優花先生
風邪、手洗いなど、健康をテーマにした新聞記事を読んで、その内容をカルタにして伝える委員会活動に、一昨年から子供たちと取り組んでいます。どういう言葉で表現するかを吟味するので、健康の知識を得るだけでなく、楽しく語彙力をつけることにも役立っています。学校図書館や他の先生にも相談しながら、楽しく子供たちと取り組んでいきたいと思っています。
健康になるための知識にも関心が深まって、言葉の力もつく健康新聞カルタづくり。カルタ大会、楽しそうだから、私もぜひ見に行きたいな!!
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