静岡県審査で高田さんの作品が今年も最優秀賞

  「第66回全国小・中学校作文コンクール」の静岡県審査が行われ、中学校の部で静岡サレジオ中(静岡市)の高田愛弓(あゆみ)さん(3年)の作品「赦しの種」が最優秀賞に選ばれた。高田さんは3年連続で県の最優秀賞。2年連続で全国の最高賞の文部科学大臣賞に輝いている。

 同県の審査では、3部門で1109点の応募があり、入賞作品30点が決まった。そのほかの部門の最優秀賞は、小学校低学年の部で、牧之原市立川崎小1年の佐々木海羅(かいら)君、小学校高学年の部で静岡市立城北小5年の松山大悟君が選ばれた。3人の作品は、県代表として中央審査に進む。

 高田さんは、普段から本や新聞をよく読み、作文コンクールには、小学生の頃から応募する常連。今年はパレスチナ問題やトルコのクーデターなどを例に、争いを繰り返す人類が平和な「未来」を作るためには「赦(ゆる)し」の精神が大切と訴えた。


 県審査で3連覇。「連覇を狙ったのではなく、書きたいことがあったから応募した。主張が認められてうれしい」と喜ぶ。


 きっかけは学校の授業。殺人事件の被害者遺族の立場から加害者を赦せるかを議論した。当初、相手を赦すことは「納得できないまま自分の感情をのみ込む」ことだと考え、「絶対に赦さない」との立場を取った。しかし、「許さない間は、相手の支配下にある」との言葉を紹介された本で読み、「相手の支配下にいる自分の方がよっぽど赦せない」と考えを改めた。そんな経緯を哲学者や学者の著作を引用しながらつづった。


 「友達関係でも赦せないことにこだわっていては、前に進めない。個人の体験から出た思いを社会全体に広げました」と話す。

(2016年10月28日 11:03)
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