読売新聞が記事を基に作成した教材「よむYOMUワークシート」の活用例を紹介する「読解力向上フォーラム」が11日、東京・大手町の読売新聞東京本社で開かれました。オンライン視聴も含めて全国の学校・教育委員会関係者ら約80人が参加し、子どもの読む力・書く力を伸ばす方法を探りました。
■事例発表
「意見文」の題材として活用、「書く力」を育む
池村直美 三重県松阪市立徳和小学校 教諭
教材を書く力につなげる実践を紹介。国語の単元「あなたは、どう考える」で、児童それぞれが教材から好きなテーマを選び、記事中の言葉を引用しながら、説得力のある意見文を仕上げた。全員が知っている話題であり、交流も深まった。
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解説用ガイド作成 教員の指導スキルアップ
寺崎 康子 東京都墨田区教育委員会すみだ教育研究所 教育指導員
墨田区内の全35小中学校で教材を導入した。各校が円滑に教材に取り組めるよう、教員用に「指導のポイント」解説版、読解が苦手な児童用にガイド付きワークシートを教育委員会が作成するなどして、学校を支援する。
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■事例報告
教育ネットワーク事務局員が各地の学校の取り組みを取材しリポートします。
「初見」の文章として定期テストに活用
埼玉県蓮田市立平野中学校
模試や学力テストのほか、将来の社会生活で読むことになる「初見」の文章に慣れさせるため、定期テストの設問の一部として、毎回教材を活用している。各教科で習った知識を総動員して読む「国語」の魅力に気づくことができた。
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「要約コンテスト」で書く力、全国平均を11点上回る
埼玉県杉戸町立杉戸第三小学校
教材を利用している4~6年生は年に4回、過去に取り組んだ記事の要約に挑戦。優秀な作品は校内に掲示される。教材を2年間実践してきた6年生は、民間の総合学力調査で、読む力は全国平均を6点、書く力は11点上回った。
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終学活前に10分 国語の成績が向上
和歌山県みなべ町立高城中学校
週に3回、終学活の前の約10分間、全校を挙げて教材に取り組む。担任が指導し、国語科以外の教員も教える。2年生の時から利用する現在の3年生は、4月の全国学力・学習状況調査で、国語の平均正答率が2年生10月の県学習到達度調査から大きく向上した。
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■講演「『読解力』育成に向けて」
藤岡宏章 岩手県立図書館館長
ふじおか・ひろあき 前盛岡市立中校長。国立教育政策研究所研究協力者などを務め、文部科学省の全国学力・学習状況調査などにも関わった。
産業界が学生に期待する資質として主体性や実行力を挙げていることや、新たな学習指導要領が、身に付けた知識をどう生かすかが課題だとしていることを指摘。子どもたちが「考える」ことに向かうような読解の指導の重要性を強調した。
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■過去のフォーラム、動画など